第二話:悪魔さんとぼっち生活(2)

文字数 585文字

僕はエーテル魔導学園への入学を決めた。
ここなら寮もあるし、かつての祖父の知り合いもいるかもしれない。
 そう期待をして高校入学と共に、エーテル魔導学園に通うことを決めたはいいものの……。
「一切、友達ができない……」
 入学して半年、僕はそう絶望して図書館で頭を抱えていた。
 もともと僕自身、他人に話しかけるのは得意なタイプじゃない。
 だが、それ以上にエーテル魔導学園は小学生からある由緒正しきエスカレータ校で、高校から入学する人間は異端も異端、ほとんど存在していなかった。
「い、いや言い訳だよな……僕以外にも高校入学はいるし……」
 しかも問題は、外部からやってきた人間も含めて、僕以外みんな「魔法のスペシャリスト」という点だった。
 そりゃ冷静に考えてそうだった。
 魔導学園という名前がついているくらいだ、魔法の知識があることが前提となる。
 残念ながら僕は祖父のツテを辿って入学した経緯もあり、しかも中学までは魔法科目のない普通科の学校に通っていたこともあり。
「やっちまったぁー……っ」
 深くため息を吐いて、こうして昼休みなのに図書館で勉強するハメになっているのだった。
「あーせめて話し相手くらいいればなぁ」

 家族がいればこんな風に考えなくて済むのだろうか。
 暗い部屋に一人で帰るのは、日々堪えるものがあった。
 
「せめて家族がいればなぁ」
 
 叶わぬ願いを虚空に漏らすのだった。
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登場人物紹介

メフィスト・ヨハン・フェレス3世

本作のヒロイン。悪魔ロリっ娘です。純粋なロリにしたくなかったので、普通のロリよりは成長してイメージ。中学一年生くらいの感じです。アホで可愛くて、調子乗るバカで、たまに真面目で根はいいやつです。家族大好き、悪魔大好き、パワーはそこそこあります。

夜森明人《やもりあきひと》

本作の主人公です。どこにでもいる高校生です。ただ家族が誰もおらず、友達恋人もいないぼっちです。自分では自らのことをコミュ障だと思ってるようですが、メフィストとあんだけ喋れればコミュ障ではないだろと思います。ATフィールドを張るタイプ。ぶっちゃけ養って欲しい。

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