第二話:悪魔さんとぼっち生活(2)
文字数 585文字
ここなら寮もあるし、かつての祖父の知り合いもいるかもしれない。
そう期待をして高校入学と共に、エーテル魔導学園に通うことを決めたはいいものの……。
入学して半年、僕はそう絶望して図書館で頭を抱えていた。
もともと僕自身、他人に話しかけるのは得意なタイプじゃない。
だが、それ以上にエーテル魔導学園は小学生からある由緒正しきエスカレータ校で、高校から入学する人間は異端も異端、ほとんど存在していなかった。
「い、いや言い訳だよな……僕以外にも高校入学はいるし……」
しかも問題は、外部からやってきた人間も含めて、僕以外みんな「魔法のスペシャリスト」という点だった。
魔導学園という名前がついているくらいだ、魔法の知識があることが前提となる。
残念ながら僕は祖父のツテを辿って入学した経緯もあり、しかも中学までは魔法科目のない普通科の学校に通っていたこともあり。
深くため息を吐いて、こうして昼休みなのに図書館で勉強するハメになっているのだった。
家族がいればこんな風に考えなくて済むのだろうか。
暗い部屋に一人で帰るのは、日々堪えるものがあった。
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