第二話:悪魔さんとぼっち生活(3)

文字数 614文字

「星を五つ並べて黒塗りにする。それから火と水と風と土の召喚陣を重ね合わせて……ここの順番が分からないんだよな」
 深夜12時を回った夜更け。
 僕は黄ばんだメモ書きを手にして、巨大な魔法陣を書いていた。
 住んでいる寮を出て十分くらいの林でごそごそしてる姿は、それだけで通報ものだろう。
「くそう……かえの血って何だよ、コメント書くなら他人にも分かるように書いてくれよ……」
 そう愚痴りながらも表情は楽しげだ。
 ぼっち生活半年の僕の唯一の娯楽――それは祖父の残した悪魔召喚の再現だった。
「さて、38回目の挑戦だ」
「……Eloim,Esseim,frugativi……et appelavi.」
 召喚呪文は聞いたこともない異世界の言葉で書かれていた。
「……Eloim,……Esseim,……frugativi……et appelavi.」
半年間、いつかは成功することを夢見て、僕は呪文を繰り返していた。
「……Eloim,……Esse……――――――ッッ!?」
諦めようとしたその瞬間。
 目の前の魔法陣が激しく輝き出した。
  今までにない強い光。

    召喚すら成功したことのない今までとは全く違う。

      何かが生まれる瞬間。

        異界より顕現される感覚。

 これは。
 これは……っ!
「………………キキっー!」
 コウモリが一匹だけ飛び出して空に消えていった。
「……」
「…………」
「…………帰るか」
悪魔召喚の道のりはまだ遠かった。
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登場人物紹介

メフィスト・ヨハン・フェレス3世

本作のヒロイン。悪魔ロリっ娘です。純粋なロリにしたくなかったので、普通のロリよりは成長してイメージ。中学一年生くらいの感じです。アホで可愛くて、調子乗るバカで、たまに真面目で根はいいやつです。家族大好き、悪魔大好き、パワーはそこそこあります。

夜森明人《やもりあきひと》

本作の主人公です。どこにでもいる高校生です。ただ家族が誰もおらず、友達恋人もいないぼっちです。自分では自らのことをコミュ障だと思ってるようですが、メフィストとあんだけ喋れればコミュ障ではないだろと思います。ATフィールドを張るタイプ。ぶっちゃけ養って欲しい。

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