やってらんないからSlayerでも聴こうぜ

文字数 1,646文字

 静かに黙って般若顔して、この世の終わりみたいな気分で帰宅したのが、これの元原稿を書いた日の事でした。
 官公庁の繁忙期の臨時職員していたのはいいんですけど、前の年と同じ場所で同じ仕事をしているにもかかわらず、テンションが上がらないまま繁忙期に突入しました。しかも、強烈な憤りを覚えるような出来事のオンパレードなのに延長契約となり、断る理由は有るはずなのに結局延長。

 何が酷かったってね、受付担当になるとまぁ忙しいんですよ。同じ時間に入って同じ時給で働いていた別の方の時には、常勤の知識ある職員が二人居たってのに、私が入ると常勤職員が一人になるなんて事がしばしば。そりゃ、確かに私経験者ですけど、付け焼刃にもほどがあるんですよ、知識なんて。
 細かい事は分かりかねますが、個別に相談を受けるブースが受付の常勤職員が兼務しており、分からない事は全部個別に流すのですが、相談が複雑だと一向に列が進まず待機させる人が増える一方になっていたわけです。
 勿論入力の補助や代行の仕事が本業なのですが、人の流れのバランスによっては受付を手伝って入力側へ流す作業を手伝う事も有り、なぜか忙しさを自ら加速させている始末……でも公務員が皆様のサンドバッグみたいになっている昨今、動かない職員は置けないはずなのです……。
 しかし、何が理不尽って、私は裏方で書類の整理や準備に回ることがほぼない状態で、なんでこんなにしんどいの私だけなんだと理不尽さ大爆発。最初の原稿を書いていた時点では分かっていませんでしたが、期間延長分も会場担当に回される職員にはすでに内定していて、最後まで会場で地獄を見続けたのでした……。
 不条理な事は全部カフカって、なんか読んだわーとか思いつつ、いきなり虫になるよりは理解可能かもしれないとは思うものの、やはり理不尽!

 本来の会期中、基本的に会場で受付化補助に回っており、ノンストップに三時間経過なんてこともざらだったため、他の臨時職員と話をしたり、常勤の人と雑談をする事は滅多になかったので、ひたすら一人でマスクの下般若顔のまま抱えておりました。
 とはいえ、年齢が近くても学歴とか経歴が違うとやはり話は合わないと思ったので、それ以外の選択肢はありませんでしたがね……学歴差別は良くないですけど、大学まで行くと自分で考えろ、調べろ、考えをまとめて論文にしろ、そういう事をする学部は少なくないですし、芸術に関してもやはり自分で学んで表現を工夫して、形作るというプロセスを踏むわけですから、考え方がやはり違ってくるでしょう。
 そもそも二十歳の時点でまだ学校に行っていると、家庭や子供は持ちませんし。

 なぜこんなにもひどい状況だったのかと思い返せば、人間の欲と金に対する執着、見るのも嫌な有象無象を目の当たりにして、ヘドロの様な厭な感情がとめどなく湧き上がって来ていたのが悪化の一因でした。
 しかし、この強欲さに反吐が出るのはまだかわいい方で、クソに例えるのもうんこに失礼と思うほど、もうなんとかに非ずとでも表現したいレベルの人間まで見た物ですから、延長期間はカオスの極みでした。
 状況が状況でしたから、物事を正しく理解して居る方は密室密接の会場に来る事を遠慮していたのかもしれませんし、家族が言う様に、古老の世代が変わって、いわゆる害になる系の層が増えてしまったのかもしれません。
 どんなに強欲だろうとも、死んだら無になるものなのですがねぇ……仏教的にはまるでそうですけど、無宗教的に考えても死んだら存在が消滅する以上終わりなのですよ、世の中は。

 ヘドロの様に湿って重く、腐って溶けたサニーレタスの様にやる気も無ければ異臭すら放つくらいに気分が悪い時、例えるならドゥームメタルなのですけど、その重さと攻撃性を兼ね備えたSlayerを大音量で流すのが一番ましだと思いました。

 ……原稿書き直していて気付きました、ジェフが亡くなってから、もう七年になるんですね。
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