第9話 日米会談のつかみ

文字数 1,433文字

○日本国の首相官邸 10:00AM

日本国の首相K氏は、朝から逡巡困惑していた。

アメリカのパイデン氏がウクライナのキーウ訪問の後に羽田に降り立つという報が急遽入って来たのである。

(K氏)嫌だなぁ、世界の番長がやってくる。また、foreign military salesで型落ちした武器を買わされてカツアゲされる。

嫌だなぁ。

(外務官僚の御手洗)首相、何をためらわれているのです?首相は所詮演者、実務はわれわれ東大卒のスマートな外務官僚がまとめるんだから、悩むことないじゃないですか。
(嫌味な官僚だな)でも、僕は英語も分からないし、向こうは戦勝国だから何か高圧的なんだよなぁ。
通訳は、ワタシが致します。何しろワタシ、英検特級ですから。アッハハ。なーに、アメリカ人は元来陽気でフランクなものですよ、ツカミさえ間違わなければ後はボクに任して下さい。場を丸く収めますよ。
ツカミ?
ええ、ツカミです。

First greeting.

あとは、me tooと言って調子合わせとけばいいんですよ。

その後、K氏は首相官邸の執務室に篭り、ハタと考え込んだ。
ツカミと言ってもなあ、具体的にどうしたらいいんだ。
自らの携帯を手に取るK氏。
**************!

AhaaaaaaAhhhhhhh!

おおっ、これだ。

まさしく、これぞ日本的な和のツカミ!

まさに、人間至る所に青山ありじゃ。

明日の日米会談はどんとこいじゃ。

携帯から光明を見出したK氏。
○明けて、首相官邸での日米会談
Nice to meet you.

I am the president of United States America,

Joe Pyden.

初っ端から高圧的なアメリカ大統領。
Me too.
….??????….what?…
唖然とする米大統領。
Hello,

I am the prime minister of Japan..

You too!


…????…what…why…
困惑しまくる米大統領。

(スキあり。今がツカミの好機)

ともだちんこーっ!
パイデン氏の逸物をとっさに鷲掴みにするk氏。
What is the hell of this!

You let me remember pearl harbour?

Surprise attack に激昂するパイデン氏。
(ヤバい。ボクの出番だ)

Well this is the typical comedy of greeting…

One of Japanese jokes…

Oh really?

Let me do the same Japanese style,ok?

Ok,please.
Friendly penis!
外人の握力で、K氏の逸物を鷲掴みにする米大統領。
イテッ!
Mine is bigger!
日米の逸物を高飛車に比較対照する米大統領。
Congratulation.
Thank you.
何故か、穏やかになる米大統領。
アッハハ〜
こうして、ツカミに成功した日米会談は、その後内容薄〜いながらも終始和やかな雰囲気で幕を閉じた。
○会談1時間後〜


ふー、何とかやり終えた。

御手洗君、キミの尽力のお陰だよ。

(それにしても米国の逸物はでかかったな)

滅相もない。

僕は通訳しただけですよ。

(頭わるいなあ、この人。ツカミの意味を間違えている)

うまくいったから、今度はロシアのブーチンサンにやってみようかな。

(北方四島返ってくるかも)

やめた方がいいですよ。

北海道にロシアの戦車が来ますよ。

(アホか)

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