第2話 前衛的ヘアデザイナー
文字数 811文字
○下町の前衛的ヴィダルサッスーン「シャトー•ドウ•三ノ輪」 10:00am 開店早々
リンゴーン♫
朝イチのお客さんに営業スマイルを浮かべる店主のピエール三ノ輪。
早速、席に着くOL藪本。
ガーッ
(ヘアドライヤーの音)
早速、作業に取り掛かるピエール三ノ輪。
それから、十分経過。
あっ、先生。
ワタシの頭に装着しようとしている、それはもしかして..
生花の剣山?
何をおっしゃいます。
聖なるスワード•マウンテンです。
構わず、藪本の顎紐を締め付け剣山を頭に固定するピエール三ノ輪。
よしっ、これで準備よしっと。
つかつかと冷蔵庫に向かうピエール三ノ輪。
あーっ、先生。
そのフルーツは何?
パイナップルですよ。
持って来た冷え冷えのパイナップルをグサッと剣山に差し込むピエール三ノ輪。
先生、頭から甘い汁が垂れて来て…何か頭が重いし。
このヘアスタイル、奇抜過ぎないかしら。
インパクトは、最強ですよ。
何しろ、結婚生活は忍耐しつつも甘くないとね。