第4話 熱血昭和オヤジ

文字数 476文字

○神奈川県藤沢市内、青田家の居間団欒 20:00pm

当主の青田登(58)にとって、昭和の熱血教師こそが真の日本男子の姿である。


(長女の聖子)あー、BFの野上君に告白したけど…

結局振られちゃって、もう生きる気力が失せたわ。

残念で、涙ぐむ聖子。
さあ、泣け!

お父さんの胸で思い切りなくがいい。

涙は、青春の汗だー!


学園ドラマに洗脳されている登。
どっどーん!
湘南の土用波の音を携帯で流すお父さん。
(お父さん、加齢臭でとてもじゃないけど無理だわ。土用波の音も小うるさいし)

いいのお父さん、ほっといてちょうだい。

す、すまなかった。

じゃあ、お父さんと一緒に夕日に向かって走ろう。

そして、湘南の浜辺で叫ぶのだ。

「野上君のバカー!」って。

もう、とっくに陽が暮れてるわ。

(日没は、17:30頃だわ)

月がでてるじゃない。

じゃあ、月に向かって吼える。

(明朝の早朝ランニングの方が、いいかな)

(オオカミじゃあるまいし)

おかーさーん、お父さんがまたおかしくなってるわよ。

(母、勝代)あんた、夕陽に向かって走る体力があるなら、もっと会社で残業してね。

時短で家産が傾いてるわよ。

はーい。
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