色.

文字数 382文字

私の生活が歪められて数ヶ月が過ぎた。
人間というのは不思議なもので、1度心が死んだようになると感覚が麻痺してしまうようだ。学校に行くのは、自らいじめられに行っているようなものだった。それさえも、そんなことさえも、わからなくなってしまうのだから。
ある日、友人と話していると、その近くを通りいじめっ子たちはこう言った。あいつと話してるとか信じられない、と。そうか、私は誰かと話すことも許されないのかと思った。死にながら麻痺していた心が、もう一度ぐしゃりと音を立てた。
そして私は孤立した。まるでどこか遠くの島に1人きりでいるような気持ちだった。いじめっ子たちの絶え間ない口撃や嗤い声は、そんな島に押し寄せる波のようだった。
辛うじて私と生を結びつけていた友人のためにも、私はその子とあまり話さないようになった。
日常を何とか色付けてくれていたのに。その色さえも失いつつあった。
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