抗い.

文字数 407文字

いじめが始まったあの日から半年が過ぎた。
日常にあった沢山のことが失われていった。
学校に行ってはいじめられ、絶望して帰宅する。もううんざりだった。
この頃から、気付くと自分の首に手をかけている日が増えた。暗い自室にこもり死ぬことを真剣に考えていた。それでも、死にきることは出来なかった。
私は学校では、まともに声が出せなくなっていた。そして思った。このまま登校し続けることが、私に出来る唯一の抵抗だと。そんな日々を目にしていれば、先生や他のクラスメートにもわかってもらえると、そう思っていた。
しかしそれは私の思い上がりで、1番気付いてほしかった先生には気付いてもらえなかった。いや、もしかしたらわかっていたのかもしれない。その上で自分のもつクラス内でそんな事があると認めたくなかったのだろう。あるいは私が相談するのを待っていたのだろうか。未だにわからないが、頼れる人がいないことだけは明確だった。
私は無言の抵抗を続けた。
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