(三)

文字数 405文字

 別府弁護士が小内海を連れて署を立ち去り、その日の勤務が終わったあと、刑事課一係と二係の面々で居酒屋へ行った。一応お疲れ様会ということになるのだろうか。
 そこで、折口係長から話があった。実は、上から捜査を止めるように圧力があったという。
 上というのは単に署長や県警ではなさそうであった。その上、しかも県議会議員ではなく国会議員からの圧力のようだという。
 捜査会議もろくに顔を出さず、普段からやる気も見せない折口係長は、そんな署長や県警のお偉い方からの圧力をのらりくらりとかわしてきたらしい。
 警察に圧力をかけてくる事実自体がMGKという企業体の怪しさを現しているように木葉には思えた。もちろん怪しいといっても証拠はない。しかし企業体としてあくどいことをしている気がしてならなかった。
 そしてその後、会はお開きになった。どんよりとした重たい空気のため、会は二一時に早々とお開きになり、木葉も家路についた。

(続く)
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