(二)-19

文字数 253文字

 松橋係長は自分の椅子に座り、ため息を周囲に聞こえるように大きく長くつきながらグレーの事務椅子の背もたれに背中を預け、天井を見上げた。
 二係の野口と一係の田代はそれぞれ上司に代わり、パソコンに向かって報告書を書き始めていた。
 オフィスはそんな妙な沈黙でうるさかった。
 その後、昼から再び捜査会議をすることになった。
 弁護士が付いている以上、裁判までの間に拘留することは難しくなった。そもそも道交法違反の容疑、しかも二年前の違反では証拠隠滅などの危険もない。そのため裁判所からの許可は下りないだろう。

(続く)
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