第2話 紫影

文字数 869文字

赤鬼とブドウの住人は、彼らの里を目指して進んだ。
途中、豊かなブドウ畑がバーミンズによって荒廃していた。
至る所で目につく破壊の跡は、心を痛めるものだった。
木々の間を進むにつれて、無残に裂かれた枝や葉、地面に落ち腐り始めたブドウの数々が目に飛び込んできた。
かつての生い茂る緑は影を潜め、荒廃した風景が広がっていた。

赤鬼は、道中でブドウの住人に里の現状について尋ねた。
ブドウの住人は、彼らの里もリンゴの里と同じく突如としてバーミンズの襲撃を受けたこと、そして現在は紫影という里の住人によって何とか持ちこたえているが、バーミンズの二人の首領による強力な攻撃に苦戦していると説明した。

ブドウの里に到着すると、紫影がバーミンズの大群と戦っていた。彼女の剣技は見事で、一閃ごとにバーミンズを倒していたが、敵の数は圧倒的だった。
赤鬼はためらうことなく紫影のもとに駆けつけ、共に戦いを開始した。

二人は背を合わせて戦い、その協力によりバーミンズを一時的に退けることに成功した。
しかし、その時、二人の前にバーミンズの首領たち、「鎧蟻」と「白蛾」が立ちはだかった。

二人は互いに頷き合い、首領たちに立ち向かった。
紫影は影のように素早く動き、首領たちの隙を突いて斬撃を繰り出す。
彼女の身体はまるで風を切る刃のようで、その動きは目にも止まらぬ速さだった。
一方、赤鬼は強靭な攻撃で、首領たちを一撃で吹き飛ばす

しかし、首領たちは簡単には倒れない。
彼らは怒りに満ちた声で雄叫びをあげ、紫影と赤鬼に強力な反撃を仕掛けた。
紫影と赤鬼は、これらの攻撃を巧みに避けつつ、反撃の機会をうかがった。

戦いは長く続いたが、ブドウの里の住人たちの支援もあり、ついに首領たちを退けることに成功した。
二人は疲れながらも互いに笑みを交わし、里の住人たちも安堵の息をついた。

その後、ブドウの里の呼びかけに応えて、オレンジの里からも黄風と名乗る勇敢な戦士が駆けつけた。
彼の故郷でもバーミンズの侵攻に遭遇し、彼の機敏な剣技で多くの敵を撃退した。
今はブドウの里を守るため、再び剣を手に戦う覚悟を決めていた。
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