第5話 翠煌

文字数 1,019文字

赤鬼、紫影、陽光、そして紅竜の四人は、赤蜘蛛の討伐を決意した。だがその前に、紅竜から提案がなされる。
彼はかつての旧友であり、パイナップルの里に住む者、翠煌と再会したいと願っていた。
紅竜によれば、翠煌は彼らの冒険に大いに役立つだろうという。
この提案に、三人は紅竜の意見に賛同し、まずはパイナップルの里を目指すことにした。

パイナップルの里への道中、陽光が紅竜に翠煌の人となりを尋ねた。紅竜は微笑みながら答えた。
「翠煌は少し変わっているが、その腕前は本物だ。きっと赤蜘蛛討伐にも大きな力となるだろう。」

旅は順調に進み、紅竜が遠くを指差した。
「あれがパイナップルの里だ。」彼らの目の前には、一面に広がるパイナップル畑が広がっていた。
幸いなことに、この地はまだバーミンズの脅威から免れているようだった。

パイナップルの里に到着した四人は、早速翠煌の家に向かった。
翠煌の家の前に立ち、「翠煌、いるか? 紅竜だ」と紅竜が声をかけると、中から「おう、入れよ」という返事が聞こえた。

家の中に入ると、紅竜は翠煌に向かって軽く頭を下げて挨拶し、赤鬼、紫影、陽光の三人を紹介した。
赤鬼はこれまでの旅の経緯を語り、翠煌に赤蜘蛛討伐への同行を懇願した。

翠煌は首を横に振り、彼らの期待に応えることはなかった。
「俺はこの里が好きだ。だから、ここを離れるつもりはない」と、彼は静かに断言した。
赤鬼たちの懇願にも関わらず、望む返答を得ることはできなかった。

やむなく、四人は里を後にする決断をした。しばらく歩を進めていると、背後から突如として悲鳴が上がる。
その声に、彼らは「もしかして」と思い、急いで里へと戻ることにした。

パイナップルの里に戻ったフルーツサムライたちは、荒廃した光景に直面した。
住人たちの姿はなく、遠くから戦いの響きが耳に入ってきた。その音の方向へと進むと、翠煌がバーミンズと激しく戦っているのを見つけた。
赤鬼たちは直ちに加勢し、バーミンズを退けることに成功した。

戦いの後、翠煌は深い悲しみに暮れつつも、赤鬼たちに赤蜘蛛討伐への同行を懇願した。
彼らも翠煌の加わることを歓迎したが、赤鬼は内心、バーミンズの組織的な動きと手際の良さに一抹の不安を感じていた。
彼は「敵の力は予想以上に強大かもしれない。まずは敵の城を偵察してみよう」と提案した。

陽光と翠煌は衝動的に敵に立ち向かいたい気持ちを露わにしたが、紫影と紅竜の説得を受け、最終的には赤鬼の冷静な提案を受け入れた。
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