第10話 激闘

文字数 684文字

もう光輝には逃げるすべもなく、彼は死を覚悟した。
その時、何者かが黒牙に飛びかかった。それは陽光だった。
陽光と赤鬼は、光輝の到着が遅れているので、様子を見に来ていたのだ。
「なんだ、また貴様か。お前たち全員、ここで朽ち果てろ!」と黒牙が叫びながら陽光に襲いかかった。
しかし、振り上げた黒牙の剣は赤鬼によって受け止められた。
「陽光、ここは私に任せて、光輝を助けてやりなさい」と赤鬼が言い、陽光に後退を促した。

赤鬼は、冷静な動きで黒牙の激しい斬撃をかわす。
黒牙の剣が石に火花を散らすたび、赤鬼はその隙を突いて反撃を試みる。

突然、雨が降り始めた。 次第に雨脚は強くなり、戦場の視界は悪化し、強風が両者の動きを妨げる。

「黒牙よ、お前はここで終わる!」赤鬼が叫びながら、力強い一撃を繰り出す。
しかし、黒牙はそれをかろうじて避け、反撃に転じる。

「我々バーミンズの力を侮るな!」黒牙の声が雷とともに響く。
彼の攻撃はますます猛烈になり、赤鬼は防御に追い込まれる。

赤鬼は機を伺い、黒牙の攻撃の猛烈さを利用して反撃の準備を整える。
黒牙が大振りの一撃を仕掛けた瞬間、赤鬼は低く身を沈めて攻撃をかわし、反転して黒牙の背後に回り込む。
その動きは瞬く間に行われ、黒牙は反応する暇もなく、赤鬼の剣が彼の鎧の隙間を見つける。

雷鳴が轟く中、赤鬼は全ての力を込めて剣を振り下ろす。
その一撃は凄まじく、黒牙の鎧を突き破り、深く体を切り裂いた。
黒牙の叫び声が嵐の音に紛れながらも、周囲の空気を震わせる。
黒牙は力尽き、その体が雨に濡れた土に崩れ落ちる。

残るバーミンズを掃討し、光輝と住人たちを連れ竜の里へ向かった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み