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文字数 664文字

「はっ!?有るんですか?兆候が!」

「プラスマイナス12ヶ月だ。既に始まっている」

「待て待て。今は4月。おいおい、微妙な時期だぞ。始まる前だが、復興や何やかんやで、
とてもイベントなんか。それよりは避難して、被害を食い止める方が。無理な話だ!
一千万都民を、どうやって疎開させるんだ」

と、私が一人言を言いながら焦っていると。

「君も信じたな。嬉しいよ」

「3%なんですよね!3%」

私は狼狽えた。3%の予言など信じて良いのか。だが、当たったらどうする?
 私は天地さんに、

「何か、もっと確実な情報はないのですか?」

「現場に行って調べれば尚、確実だ。
虫の動き、それを餌とする鳥の動き。
更には魚の動き、小動物、気温や地殻の熱。
地下水の水位断層の動きなどを調べれば。
かなり、確実なものとなる」

私は考えた。
だが自分の住む場所なのだ。やらないより、
やった方が良いに決まっている。
そして間違いなら、それで安心出来る。
 私は天地さんに、

「手伝います。やりましょう、実地見聞」

天地さんは笑顔を見せた。
それから私は、休みの日や有給休暇を使って。
天地さんと関東近縁の場所を調べて回った。
 結果。
 それは知っての通りだ・・・。

 それから10年。私はいつしか、天地さんの右腕と言われて、チーム天地を引っ張っていた。研究員も非常勤だが、6人になり。
皆と色んな場所を巡って、データーを集めて回った。そして、更に天地さんが高齢になり引退すると。私は、
 『3%の予言者』
の名前を、2代目として襲名していた。

 終わり。


 2019年4月12日初稿。
 令和5年7月28日加筆修正。
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