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文字数 690文字

 私の前にデスク越しに座ると。天地さんは、私にコーヒーを出し、自分のはブラックで飲んでいた。すると天地さん、

「ところで、用事は何かな?」

と聞くので。

「はぁ、あのう例のイベントの頃の、その何か有るか無いか、聞いてこいと言われまして。
何とも、意味不明なのですが」

と、思った通りに言えば。

「あはは、相変わらずだな斎藤は。
あれだろ、オリン・・・」

と言ったので。食い気味に手を差し出して、
言わないでと制止した。すると、

「相変わらず、言うな伝統だな。
あの、イベントの時に何か有るのか、と言う事だろう?何も無いよ」

と、すんなり答えた。

「ですよね〜。災害予知なんて、誰もできませんものねぇ〜」

と言うと。天地さんの顔が笑顔から、一瞬で曇った顔になった。
あれっ?マズッたかな?
この人、その手の権威?

「君も、そう思うかね・・・」

「はい・・・」

と答えると。

「私は過去に3回、地震の予知をしたよ。
しかも、プラスマイナス、12ヶ月だ」

「えっ?!凄い!では、地震予知の方におられたのですか?」

「いいや、非科学的と追い出されたよ。
何せ100回以上言って、3回だからな。
あはは、3%だ。それでも凄いだろ」

「はぁ〜」

何だが嫌な予感がしてきた。
 私は大車輪で考えた。この部屋の資料の他に、ガラスケース。何だか判らない生き物。
そこから導き出せる結論は。
ナマズで地震予知!の類か・・・。

「その通りだ、私は動物や昆虫で予測している」

まるで心を読んたが如く、天地さんは言った。
私はゴクリと喉を鳴らしてしまった。すると、

「あはは、霊能力者じゃないよ。これぐらいは出来るよ。いつも言われるからね。
でも君も、似たようなもんだろう?」
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