第4話 日常が壊れる時

文字数 3,208文字

人里
12:35分頃
ロッキー「急げファイナル!手遅れになる前にやれ!」
ファイナル「それよりも優先すべき事があるでしょう!?」
言い争うファイナルとロッキー。
背後で爆発。
「やれ!」
ファイナル「うぉぉ!」
ロッキー「すらああぁ!」

同時刻:紅魔館
妖奈「お兄ちゃん!もう無理だよ!」
妖羅「っ…せめてアイだけは…アイ!!」
アイ「ようら…」
妖羅「手を!」
妖奈「危ないっ!」
撃たれる。
妖羅「妖奈!?くそっ!」
アイを引き寄せる。
「私達にお任せ下さい。」
妖羅「妖奈!しっかりしろ!」
妖奈「痛た…大丈夫?」
妖羅「こっちのセリフだ!大丈夫か!?」
妖奈「大丈夫だって。ほら、私って無駄に丈夫だから?」
妖羅「馬鹿みたいなこと言うな!」
メイド「1度退いてください。ここは何とかしますから。」
奥へと逃げる。
妖羅「一体…どうなってるんだ!」

12:40分頃
白玉楼
エンド「っが……かはっ…」
マイン「にげるんだ……フィ…ル…」
影に押し込められ、物量と力で無理やり落とされる。
フィル「うがああああああああぁぁぁ!!!」
レイル「だめ…だよ…」
これ以上に「地獄絵図」という言葉が合う場面もそうそうあるまい。
妖夢「う…うう…」
幽々子「…もうダメかしら」
レグルス「諦めるのですか!」
幽々子「なら…貴方はここから逆転できる手があるの?」
レグルス「逆転とまでは行きません。あるのはたった数%の確率だけ。ですが…

の為…私はこの数%に賭ける!」
きっとあのお方も同じ事をするのだろう。
レグルス「1人でも戦う意思を見せていれば…それはまだ負けでは無い!」
たとえそれが多勢に無勢だとしても。
その先に見えるのが死だったとしても。
「今」を乗り越えれば、別の答えが見えてくる。
荊の道か、はたまた獣道か。
だから、諦めるな。
今、誰一人無事だとは言えない。
レグルス「エンド様。」
「このっ!」
レグルス「せいっ!」
戦え。
エンド「レグルス…」
抗え─
フィル「るああああああぁぁぁ!!」
─最期まで。

ファイナル「…さすがに……いや、まだだ…っ」
ロッキー「っふ…っーっは。…行けるだろ?」
ファイナル「は…見れば分かるでしょうに。」
集団へ突っ込んで行く。
ファイナル「覚醒憑依!薙ぎ払え!」
ロッキー「ほら、余所見してんじゃねぇよ」
エルゼ『行きますよ。私達の反撃、受け止めて見せなさい』

トッド「…あいつら…」
黒煙が上がる人里。
堕ちるのも時間の問題な紅魔館。
ほぼ壊滅した白玉楼。
トッド「でもやっぱ…オレが殺さないとなァ?」
皆殺し。
トッド「そうだ…それがいい…!」

13:00分頃
人里
ファイナル「ックク…さて…まだ、やるか…?」
ロッキー「ハハ…は!…あ、相手に…なってやるぜ…?」
トッド「てめぇら、引っ込んでろ。俺が殺す」
ロッキー「てっめ…まだくたばってなかったか…」
トッド「ハッ!今のてめぇらに殺れるか!?あ?殺って見せろよ!!なぁ!?ハハハハハハッ!」
ロッキー「…ファイナル」
ファイナル「聞くな」
ロッキー「わかった」
一気に突っ込み、蹴り上げる。
ファイナル「…」
骨が軋む音が聞こえる。
トッド「粉々にしてやらァ!」
ファイナル「ぃっ…」
ロッキー「ラァ!」
トッド「邪魔すんなァ!!」
ロッキー「おああっ!?」
足から手が離れた隙にストレートを放つ。
トッド「甘いなァ!?トロイんだよォ!」
背負い投げ。
ファイナル「っぐ…」
体力が持たない。
トッド「オラ立て!…ああ?気に入らねぇなぁ?この野郎!」
胸ぐらを掴まれ、渾身の一撃を喰らう。
地面を滑る。
ファイナル「…」ペッ
(血─)
エルゼ『ファイナル?』
ファイナル(─立つのがやっと、か)
トッドを睨む。
トッド「ハハッ!まだ立てたんだな?流石だぜ。だが─」
最後の最期まで、睨み続ける。
ファイナル(来い─)
トッド「──こいつで終いだァ!」
身体が倒れる。
青い空。
この世界の空。
なのに何故…こんなにも曇っているんだ?

13:16分。
白玉楼。
フィル「…っ…」ゼェゼェ
レグルス「終わっ…た…」
ファイナル様…
ご無事でしょうか?
ここは─
無事に、乗り越えられましたよ─
イゼ「やった…私達…生きてる─」
幽々子「…!?」
突然、妖夢と幽々子以外の全員の足元に転移門が開く。
エンド「な!?─」
レイル「そんな─」
サクラ「うそ─」

13:17分
紅魔館
エンド「ここは…紅魔館じゃないか!」
ボロボロの内装。
落ち着いたあの館内の面影はほぼ無い。
レミリア「…急になんなのよ…!」
エンド「レミリア!どうなってる!」
レミリア「こっちが聞きたいのよ!ついさっき奴らを退けたと思ったのに…!」
トッド「よぉ。」
エンド「お前…トッド…!」
サクラ「待ってくださいよ……冗談でしょう?」
サクラの顔がひきつる。
それもそのハズだ。
彼の傍に居る影が引き摺っている人影が2人─
ファイナルと、ロッキーだ。
トッド「次はお前達の番だぜ。覚悟しろよ」
エンド「…兄さん!!」
トッド「ハハハ!聞こえる訳ねぇだろ!」
フィル「嘘だ…何かの間違いだ…!」
トッド「今、こいつをてめぇらの前で殺してやる──なっ!?」
影からロッキーとファイナルの身体が消える。
咲夜「良かった…なんとか間に合った…」
フィル「義兄さん!」
エンド「完全に気絶してる。今は…」
トッドの方に視線を動かした時だった。
殺意に満ち溢れた顔がすぐそこにあった。
尋常じゃない力で殴られた身体は部屋の壁を突き破った。
エンド「ゲホゴホッ…」
トッド「この野郎…!」
レミリア「っ!」
トドメを刺される間一髪の所でレミリアの制止が入った。
レミリア「何してるの…はやく…!」
レイル「そぉりゃあ!」
トッド「うぐぉ…うぉぉオラァ!」
キルア「せええっ!」
トッド「があっ…鬱陶しい!」
キルア「ひうっ…」
トッド「紅魔館諸共吹っ飛ばしてやる!」
巨大な魔法弾。
トッド「くたばれ!」
エンド「く…くそ…」
目の前で爆発する。
パチュリー「…セーフ、とは言えないわね。」
トッド「おあ?てめぇ…図書館か。」
パチュリー「私とあなたの知識の差は正に天と地よ。諦めなさい。」
トッド「ハッ!遠回しに俺をバカって言いたいのか!?」
パチュリー「黙りなさい。」
トッド「知識なんざ何の役にも立たない。1秒単位で情報はいくらでも変わる。頭のフロッピーディスクをたまには整理したらどうだ?読書バカ」
パチュリー「…確かに私は読書バカかもしれない…けどね?私最近フロッピーディスクからHDDに変えたのよね。」
トッド「は?何言ってんだ?」
パチュリー「おかげで頭の回転がすっごく早いの。試してあげる」
トッド「試すだ?やってみろよ」
パチュリー「周りを見なさい」
トッド「…!」
トッドの冷や汗。
パチュリー「どう動くかしら?」
トッド「チイッ…!」
こっちに突っ込んでくる。
パチュリー「読めた。」
トッド「遅せぇなァ。止まって見えるぜぇ?」
パチュリー「しまった…」
振りかぶる。
エンド「させるかぁ!」
トッド「おぶっ…」
パチュリー「エンド!」
エンド「早く!」
トッド「てめ…どけえっ!」
エンド「詰んだな。今回は俺たちの勝ちだ。」
トッド「クソが…クソがアアアッ!」
魔法弾に撃たれて消えていく。
最期はあっけなく、消えた。
フィル「…義兄さん!義兄さぁん!」
エンド「ロッキーさんは…」
レグルス「命に別状は無いと。お二人共身体は丈夫ですから…死にはしないと思う、と聞きました。」
エ「そうか。ありがとう。レグルス」

その頃、人里で
霊夢「…雨?」
魔理沙「珍しい事もあるんだな」
霊夢「まさか…異変?」
魔理沙「バカ言うなよ。ただでさえ忙しいってのに…」
「あなたが霊夢さんですか?」
霊夢「…そうだけど?」
「そうですか。それでは…死んで頂きます」
霊夢「!?」
魔理沙「霊夢!こいつ…」
霊夢「いいから逃げるわよ!」
「逃げられてしまいましたか…まあいいでしょう。こちらが消えるか、それともそちらが消えるか。はたまた両方とも消滅してしまうか…どのシナリオになっても面白いのはこの幻想郷だけですし…ねぇ?霊夢さん?」
「…」
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