(三)-4

文字数 287文字

 車はウインカーを出して歩道を横切ってレンタカー屋の駐車場に入った。
 車を停めると秀美が事務所の建物へと消えていった。一緒に車を降りた汎人は、空を見上げてため息をついた。いつの間にか雨は止み晴れ間が見えていた。

 その日の夜、宿泊している武蔵松山市内のホテルの部屋で、汎人がテレビを見ていると、ニュース番組で土砂崩れ現場で遺体が見つかった事件のニュースが流れていた。崎玉県警小河署は、事故と事件の両面で捜査を開始するということだった。
 事故と決まったわけではなく、一応まだ、事件の可能性が残っている。その事実に、汎人は少しホッとした。内心少々ワクワクしていたのだった。

(続く)
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