(二)-4

文字数 256文字

「いいえ。私たちが見つけたときには、既にそこに。崖崩れが起きたのも、私たちが通る前のハズです。どのくらい前かは見当もつきませんが」
 秀美がそう言い終わったところで、麓から赤い車と救急車がやってきた。赤い車は消防のレスキュー車だ。埋まっている人は既に亡くなっていたが、崖崩れの現場だ。遺体を掘り起こすのは危険を伴うのと、警察だけでは対処できないために呼ばれたのだろう。
 オレンジ色の制服を着た隊員たちはすぐにやってきて現場を確認すると、汎人と秀美に危険だから下がるように言い、二人を消防車の所まで誘導した。

(続く)
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