第3話

文字数 7,431文字

哲学者の嗅覚(3)
そんな俺に奇跡が訪れた!あそこに見えるは二足歩行の物体。俺が見た限り鉄と布に覆われているが本体はおそらくタンパク質!そう、あれは人間だ!
少しずつ接近して行きましょう。おや、これはサラサラの金髪、透き通るようなブルーの瞳…俺たち若市や理研特区の住民、表で言えば日本人、とは違う。いつか本の中で見た表地球の西洋人ってやつではないか!
ゆっくり近付いて行きましょう。怪しまれないように。俺はただの旅人だ。あ、むしろ怪しい?ならどんどん歩いて行きましょう。ほら、よく見えてきた。あ、思ったよりも綺麗な目と髪をしていらっしゃる。意外といい顔をしているではないか。って俺は何を言っているんだ。

Sunshine(1)
「ちょいとお兄さん、そんな物騒なモノを持って何処へ?」
お兄さん、と言ったものの恐らく彼は自分とあまり変わらない歳だろう。ファンタジーの世界にいそうな鎧を身に纏い剣を持った西洋人、それが今俺の目の前にいるのだから俺の好奇心は声をかけろと叫び続けるのだ。
「見ての通り俺はsoldier、国直属の兵士さ。本隊とはぐれた落ちこぼれだけどね」
「なんと、兵士さんでしたか!まさかここは戦争の真っ最中だったり?」
「戦争って訳では無いんだけどね。おっきなdragonが現れたんだ」
「ドラゴンだって!?俺はファンタジーの世界にでも迷い込んだのか!?でもドラゴンってそんな剣ごときで倒せるの?」
「俺魔法も使えるからきっと大丈夫!」
「魔法!?いよいよ俺もファンタジーデビューか…。世界は広いな…」
「Fantasy?空想なんかじゃないよ。俺の住む華那千代は魔法国家。もしかして君が住んでいたところには魔法はないのかい?」
「むしろある方が珍しいと思うが…。で、魔法剣士さんは本隊とはぐれて何をしているんだい?」
「うげーっ!上手く話が流れたと思ったのに!本隊よりも先に目的地に到達して手柄を独り占めしようかなーとか考えていたところだよ」
「意外と野心がおありで。魔法使いにドラゴンねぇ…俺の見聞も広がるってもんだな…」
確かに俺の周りには不老不死者や薬剤師という名の黒魔術師、妖怪…と色々変わったやつがいるからもはや魔法使いと言われてもそこまで驚かない。だがまた新たな人外候補を見つけたとなれば俺の野望(世界の全てを記録する、といった内容だ)がまた達成に1歩近づくわけだ。今や俺も期限付きとはいえ不死の身を得たのだ、こいつのドラゴン討伐に同行してもとりあえず俺は死ぬことはない。
「ん?1人でブツブツ言ってどうしたんだい?」
「いやぁ、俺もドラゴン見たいなーって」
「ならついておいでよ。journalistなら戦場によくいるし。まあ命の保障はできないよ?」
意外とすんなりとOKを貰えてしまった。しかし華那千代の市民は随分と命知らずな。
「俺も旅の仲間が欲しいしね!そうとなったら善は急げだ、目標は北東!Let's go,…」
西洋人は俺に手を差し伸べかけたが何か不都合があったのか、停止した。
「あー、What's your name? まだ名前を聞いてなかったよ」
「人に名を聞く前に自分から名乗るもんじゃないですかね」
「Oh,sorry! My name is Taiki Miyama. 君は?」
なんという事だ、宮間タイキ…。どこからどう聞いても東洋人の名前じゃないか。
「俺は剣崎雄。若市、そして理研特区を旅した哲学者だ」
「哲学者ってそんなactiveなものだったっけ…?それに君、まだかなり若いのに結構旅をしているようだね」
「今年で15になります」
咄嗟にとんでもない嘘をついた。実際はアラサ…いや永遠の15歳ということにしよう、悲しくなる。
「へえ!じゃあ同い年だ!」
「まあ、でも数年後には見た目年齢にだいぶ差がつくはずだぜ」
俺は隠す意味も無いだろうと会ったばかりの宮間に自分の体質の話をした。魔法国家華那千代にも不老不死の術を使える者はほとんど存在しないらしく宮間は目をまん丸にして驚いていた。
「すごい、不老不死なんて!戦力としては無敵だね」
「そうだろう、そうだろう。俺は最強なのだ」
「そうだね。でも…」
宮間は俺には想像もつかない言葉を発した。やはり異国人の考えはサッパリだ。
「…ユウはそれで寂しくないの?」

哲学者の嗅覚(4)
華那千代から来た兵士、宮間タイキは不思議なやつだった。見た目や言語もそうだが、俺が不思議だと思うのはその人柄だ。少しの間行動を共にしていてわかったことだがこいつは俺にはないものをたくさん持っている。特段羨ましいとは思わないけれども。
そもそも俺なら国の命令だとしても自分の命を投げ打って戦おうとは決して思わない。誰かのために戦うという考えが理解できない。まあ、報酬があれば話は別なのだが。あいつは言うならば自己犠牲精神の塊というか偽善者というか、または自分を大切にしないとも言えるのではないか。今の段階では俺の抱いた印象はそんな感じだ。
不思議と言えば俺があいつと初めて会った時、半不老不死である俺に「それで寂しくないの?」と聞いてきた。だが俺には未だその質問の意図はさっぱりわからない。何故俺が寂しい思いをするのだろうか。俺には永遠があれば他に何もいらないのだ。愛や絆のような俗的なものは俺には必要ない。俺に永遠を与える彼を除き他人すらも必要ないのだ。

魔法都市万葉(4)
「長畑、何故俺たちに話してくれなかったんだ」
宮間タイキが討伐任務に駆り出されたと聞き俺も聖も動揺が隠せなかった。
「だってタイキくんが誰にも言わないでって。僕が彼の異変に気付いただけでたぶん僕にもそのことを話すつもりは無かったかもしれないしね」
「ドラゴンを倒しに行ったんでしょ?彼は生身の人間だし大丈夫なの?」
「一応魔法は使えるし、剣の腕はいいらしいけどねぇ。僕も正直心配だよ」
「何故いきなりそんなでかい龍が現れたんだ。近くに巣穴とかがあるのか?」
「そんな話は聞いたことがないんだよねぇ。今まで龍が現れたなんて報告もなかったと思うし」
「何の前触れもなく、か。よく混乱が起こらなかったな」
「みんな魔法動物は見慣れているからねぇ。もっと小さいのならよく街に襲ってきたりするし」
「な、なるほど」
本来ならば俺は死と隣り合わせの宮間の援護をするべきなのかもしれない。だが俺はそんなお人好しではない。突如龍が現れた理由を探求したいという好奇心がそれに勝っていた。
「長畑、華那千代や万葉の常識を詳しく教えてくれ」
「え、いいけど。僕だってそう長くは生きていないよ?」
「10代の若者でも知っているような情報の方が案外役に立つ」
「うーん、なんか白城くんの方が僕より探偵みたいだなぁ」
「ここの看板探偵を白城くんにするのはどう?」
「駄目駄目、ここは僕の探偵事務所だ。…情報ねぇ。1日待ってくれない?まとめるから」
「別に構わないが…まとめる程のものなのか」

Sunshine(2)
「随分目的地は遠いんだな」
宮間と会ってから正確な暦は無いが、感覚的には数カ月は経った気がする。だが一向に目的地らしいものは見えてこない。
「うーん、たぶんこっちで合ってると思うんだけどなぁ」
「たぶんって…。まさか迷子?」
「えー、そんなことはないと思うんだけど…」
迷子なのか。
「でもでも!ユウが色々便利な道具を持っててくれて助かったよ!」
「むしろそれが無かったらどうしてたんだよ」
「道中街があるかなー…と思ってました」
「見ろよ、広がる限りの平原」
「ユウと会えて本当にluckyだったよ!」
「はぁ…」
わからない。こう、前向きというか頭がお祭りのようなやつの考えが。
「まあ、炎の魔法と剣が使えるやつと会えたお陰で俺も食事には困らないからいっか」
「でしょ、でしょ。お互い様ってやつだよ」
「…それにしても今更だけど俺たち何の肉食ってんの、これ」
「マホウドウブツってやつ」
「魔法動物…。食っていいやつなの!?」
「今まで大丈夫だったじゃん。美味しいし」
「なんというか、倫理的に…。というか貴重そうだし…」
「いっぱいいるから大丈夫だって」
魔法動物ということはもしかしたらこれを食べ続ければ俺も魔法を使えるようになるかもしれない。そんなファンタジーじみた淡い期待がこみ上げる。だが、確かに色や見た目はともかくここの動物たち、味は良いのだ。
「そういえば宮間、お前はどこの出身なんだ?名前だけ聞くと若市や理研特区…この辺の地方の生まれのようだが、お前がよく口にする英語…これは外の世界の言語だ」
俺の推測だと外の世界の言語マニアか、もしくは外の世界にある、日本という国の生まれもしくは英語圏に住む日本系の住民か。若市や理研特区の言語は日本語に近いという話は昔、白城経由で聞いたことがある。台湾という場所から来たジャーナリストが言っていたらしい。
「外の世界…?よくわからないけど、俺の出身地はアメリカだよ」
「アメリカ…やっぱり外の生まれか。だがその宮間タイキという名前は日本語だよな…」
「ああ、俺のパパはJapaneseだよ。Japaneseってその、ニ、ホン?って意味なのかな?」
「たぶんそうだろうな。お前の父さんはなんでアメリカに?」
「お仕事だよ。NASAっていうアメリカが誇る宇宙センターで働いていたんだ。ママもそこの職員だったんだよ」
「宇宙センター!?なにそれかっこいい!」
「でしょ、でしょ!ママは若いのにチームリーダーだったんだよ!…事故に遭って離れ離れになっちゃったけどね」
「事故?もしかしてお前がここに来たのって…」
「そう、その事故の直後だよ。気がついたらここにいた」
やはり外とここの移動には特殊な条件があるということか。台湾のジャーナリスト、德も特別な方法でこちらに来たという。
「ああ、ゴメンね。暗い空気にしたかったわけじゃないんだ。ユウは?ユウの家族についても知りたいな」
…無邪気な瞳を向けてくるからこそ俺の心はチクッとした。自分の家族に誇りを持って語る宮間を前に余計あの人たちの話はしたくなかった。
「お、俺の家族?別に普通の音楽家だよ、うん」
「Musician!classical?それともpop?」
「母さんはオペラ歌手、父さんはコンダクター。まあどっちもゴテゴテのクラッシックだな」
「Wonderful!すごいよ、全然“普通”ってものじゃない」
「一応音楽家の家系だからな。じいちゃん、ひいじいちゃんも演奏者。ばあちゃんは作詞家だった」
「えっ!すごい、すごい!!」
そうだろう、そうだろうと返しがちな俺だがどうにも家族のことになると鼻高々な気分にはならない。強いていえばばあちゃんが晩年書いた童話集が世界規模のコンクールで表彰されたことくらいだろうか。
「あれ、でもだったらユウも音楽家になるんじゃないの?」
「まあ、俺はピアノの才能はピカイチ、他の楽器も人並み以上には演奏できるしな」
「じゃあなんでこんなところで旅をしているのさ」
ほら、痛いところを。
「ほ、ほら良き音楽家は各地を旅してアイデアを得るのさ!」
「Oh,I see! さすがだね、ユウ!」
よーし、なんとか誤魔化せた。
「いつかユウの故郷にも行ってみたいな。ここから行けるところかい?」
「俺が若市の自宅からここまで歩いて来たくらいだから行ける。どれくらいかかるかは忘れたが」
「そっか。ん?若市?」
「なんだ、若市を知っているのか」
「行ったことあるよ」
「えっ、なんでさ」
「ちょっとしたおつかいでね。そうだ、カズやヒジリともそこで会ったんだ」
「カズ…?まさか白城か!?お前白城に会ったのか!?」
「え、うん。今彼は華那千代にいると思うよ」
良かった。あいつがこの近くにいるなら契約の延長ができる。いつ俺に寿命が戻ってくるかわからない状態だからな。
「ユウ、どうかしたの?」
「いや、あいつまだ生きてるのかーって」
「??」


魔法都市万葉(5)
「はい、できたよ」
朝起きるとすぐ長畑は分厚いノートを持ってきた。本当に一晩でまとめるとは。そして意外と量がある。
「ありがとう。うわ、随分重いな」
「ちょーっと複雑だからね、ここのシステムは。今回の事件に関係ありそうなページには付箋を貼っておいたよ」
「助かる。今日1日かけて全部に目を通すよ」
「はーい。頑張ってね」
朝食を済ませると早速部屋でノートを開いた。聖も一緒だ。
「えっと、まずは…魔法国家について、か」
「この国は基本的に魔法使いしか住んでいないんだね。ここで生まれた人は魔法の習得が義務なのかー」
「だが宮間は德と同じく表の出身だ。だがあいつは魔法を使えるらしいな」
「あったあった!華那千代国民の義務は魔法の習得だけど華那千代、特にここ、万葉に住む者の権利としても魔法の習得がある。ってことはここに移住した者にも魔法を使う権利はあるってことだね」
「へー、外部の者でも魔法って使えるようになるのな。向き不向きはあるにせよ使えるか使えないかは才能ではなく訓練なんだな」
「次の項に行くよ。政府の方針についてかー」
「全国的にメジャーな王立の学校では魔法訓練や成績にプラスになるおつかいのような任務がある…と。ああ、これで宮間は若市に来たわけか」
「中峰くん?だっけ。彼がいる魔法研究所も国の施設なのか。15歳以上の学生は兵役か魔法研究が義務なのね。結構大変だあ」
「俺ここの国籍だけは取らないわ」
「死なない兵が何言ってんの。俺が15の時なんてただ何もせず過ごしてたな。学校にもあまり行ってなかったし。もう少し真面目に生きていれば良かったなぁ」
「はいはい、思い出話はストップ。次は…ってもうこんな時間か」
たった数ページ読んだだけなのに気がつけば昼を過ぎていた。
「あら、丁度いいところに。お昼だよ」
「長畑、ありゃ1日じゃ無理だ。相当あるぜ」
「だから頑張ってって言ったじゃない」
「でも華那千代は面白い国だね!あんなに分厚いノートだけど読んでて飽きないよ」
「そりゃあ良かったよ。さ、お昼ご飯を食べよう」
昼食後も時間が許す限りノートを読んだが全然終わりが見えなかった。

「はー、やっと3分の1か。長いな」
「ねー。でも面白いじゃない」
「今まで読んできた中に今回の事件に関わりそうなものはあったか…?」
「うーん…。あっ、魔法生物についてとか?」
「ああ、あったなそんなの。華那千代周辺に住む動物はだいぶ若市のものとは違うようだったな。いくつか写真もあったが派手なものが多いな」
「でも食べると美味しいらしいよ」
「えっ、まさか俺たちがこれまで食っていたのって…」
「…美味しかったねぇ」
「…確かに」
「今回現れた大きな龍も魔法生物なんじゃない?本によると魔法生物は魔力の一時的な偏りとかでもうまれるらしいよ」
「いや、誰かが呼び出すことでも生じる。こっちの線も考えた方がいいだろう」
「でも魔力の流れがおかしいとかだったら街にいる魔法使いさんの中にわかる人がいるかもしれないよね」
「確かに。長畑に聞いてみるか」

「あらぁ、そんなこと知りたいの?」
魔力の流れについてノートに書いたのは他でもない長畑自身なのにも関わらず、そのことについて尋ねたところ彼は意外そうな顔をした。
「この世界では自然災害や大きな魔法生物の誕生は魔力の空間的な偏りによって引き起こされると考えられているらしいな。ならばそれを分析する者はいないのか?」
「そうだねぇ。いいところに気が付いたねぇ」
「えへへー。白城くんはすごいのだ」
はじめに魔法生物について言及したのは聖だった気がするが…。
「そりゃあもう、魔力の流れというものは僕達華那千代の国民には切っても切れない存在だ。外国の人が天気を予測するように魔力の偏りでこれから起こることを予報することだってあるよ」
「それはどこでわかるんだ?」
「君たちが来てからちょっとサボっていたからねぇ。そろそろ通わなきゃ」
「通うってどこに?」
「魔法研究所だよ。中峰くんがいるところさ。そこに専用の機械があるんだよ」
「え、長畑お前そんな重大な任務をこなしてるのか…?ただの探偵では無かったのな」
「そうだよー?だからもっと僕に敬意をもって接してくれてもいいんだよ?」
「わーい、トモちゃんすごい!」
「聖ちゃん、ありがと」
「でも真面目な話、もし魔力の偏りが原因だったらさらによくないことが起きる可能性もあるね…」
「一応誰かが召喚した可能性も考えたのだが」
「召喚か…。この街に召喚魔法を使える人はあまりいないからねぇ」
「そうか。また気になることがあったらお前に聞くわ」
「りょうかーい。あ、でもさっきも言った通り僕はそろそろ魔法研究所に通わなきゃいけなさそうだから四六時中ここにはいられるわけじゃないよ」
「そっかー。何かわかったら教えてねぇ」
「もちろんだよ」

矮星の魔法使い(2)
「中峰くん、久しぶりだねぇ」
「トモ!急にどうしたの?」
「ちょっと調べたいことがあってねぇ」
トモはそう言うと魔力測定機をいじり始めた。
「どうしたの?今日は魔力量を測定する日じゃないでしょ?」
「あらー?中峰くんは外の異変には気付いてないの?」
「異変?トモは何を言っているの?」
異変といえばこの前タイキがドラゴンを討伐するために軍に駆り出されたことがあった。
「魔力の流れがね、なーんかおかしいのよ。ドラゴンが現れたのもそのせいだと思うけどねぇ」
相変わらずトモは勘が鋭い。仮に僕が外に出たところで魔力の流れの変化なんかには気付けないだろう。
「あー、やっぱり問題ありだねぇ。んん?かなりの魔力がここ、研究所から出ている…?」
「えっ、研究所から!?機材から漏れだしたのかな…?」
「それにしてはかなり大量だ。中峰くん、何か心当たりはないのかい?」
「…いつもここにいる僕でも研究所にあるもの全てを把握しているわけではないからなぁ…」
実際自分が使っている道具や資料以外ここに何があるのかはさっぱりわからない。中には関わらない方が良さそうなものもある。
「おそらくここから出ている魔力のせいだね、ドラゴンの件は。それが抑えられればきっと大人しくなるか、姿を保てなくなるねぇ」
そうすればタイキの遠征も終わるはずだ。
「それはどうすればいいんだろう…」
「さあね。それを解明するのが僕たちのお仕事でしょう」
そう言ってトモは仕事を再開した。研究所から大量の魔力が漏れ出ているなんて大事件であるはずなのに彼はやけに落ち着いていた。
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登場人物紹介

白城千

『千年放浪記』シリーズの主人公である不老不死の旅人。人間嫌いの皮肉屋だがなんだかんだで旅先で出会った人に手を貸している。

三又聖

白城と旅する幽霊。生前は鉄道会社の社長だった。ふわふわとした不思議系だが切れ者で何を考えているかわからない。

剣崎雄

世界の全てを記録するという野望を持つ少年。ひょんなことから半不老不死の身体を得、元気に冒険中。わがままでナルシストだが認めた相手には素直。

宮間タイキ

別世界の「アメリカ」という場所から来た少年。持ち前の明るさと才能で言語や文化の壁を越え魔法国家華那千代でもトップレベルの実力を持つ蒼炎使いになる。

長畑友樹

魔法国家華那千代に住む少年。町探偵という名のなんでも屋を営んでおり、強い魔法は使えないがトーク力と情報収集力はピカイチ。

中峰祐典

宮間や長畑の友人。魔法学校に在籍するも、極度に臆病な性格で外に出ず引きこもっている。星座のモチーフを召喚する魔法が使えるが力が制御出来ず失敗することも多い。

新井和彦

宮間や中峰の面倒を見ていた半人半妖の男性。妖怪としては珍しく科学技術や新しいものが好き。明るく面倒見がよい兄貴分だが、伝説の剣豪と呼ばれるほどの実力を持ち白城の師匠でもある。

日向洋介

華那千代の学校に務める理科教師。怠け者でだらしがない人物。魔法より科学に興味を持つ変わり者。

岩村海翔

華那千代の学校に務める理数科目担当の教師。戦争で廃れた理研特区を離れ華那千代に来た。真面目で生徒からは恐れられる厳しい教師。

倉持健二

漂流していたところを日向に救われた理研特区の人物。ストイックで厳格な軍人のような人物だが最近歳のせいか涙脆くなってきた。

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