第1話 俺のもとに来たのは、未来から来た娘でした

文字数 1,423文字

  俺の名前は、工藤拓斗。二千XX年四月一六日から水産系の大学に通う十八歳。
 今は実家から離れて、家賃三万六千五百円のマンションに一人暮らしをしている。大学で彼女を見つけて、楽しいキャンパスラフを送るはずだったが、現実はそんなにうまくいかなかった。

 どうすれば、彼女ができますか?

 相談できる友達もいない自分の唯一の話し相手は、空一面に広がる星だ。星たちは、俺の質問に『とりあえず、その似合わない髪の毛やめたら? ハハハッ!』と笑っている。その後の質問には『あーでもない、こーでもない』とボロクソダメ出ししてきた。予想より多いダメ出しに、気分が下がった俺のもとに空から、謎の部品(プレゼント)が落ちてきた

「なんだこれ?」

 その部品は、クリップのような見た目をしていたが現代の技術では、作れない複雑な形をしていた

 なんで、空からこんなものが?

 気になって手に取って調べてみると、裏面に文字が書いてあった

「う、うそだろ!」

 その文は、日本語で『タイムマシーン二千XX年.十一月一日・・・』と、書いてある

「まじで! タイムマシーンの部品じゃん!」

 俺の夢は、幼いころからタイムマシーンを作ることだった。だから、機械について学ぶために工業系の大学を志望していたけど、試験の時腹痛くなって途中トイレ行っちゃった。あと一点足りなくて、受験落ちた。本当は、浪人生活がしたかった。でも、親に『お金ないから、浪人生活だけはしないで』って言われ、仕方なく親元離れて水産系の大学に入学することになった。

「夢はあきらめなくてよかった!」
 
 今まで、『タイムマシーンは存在しない』と散々友達に言われてきたけど、この部品が、本当にタイムマシーンの物だとしたら、今は無理でも未来なら作れると勇気をもって言えるかもしれない。
 俺は、確信してその部品を大切に保管して寝た

***

 数時間がたったころ、部屋中に広がる月の光で、俺は起きた。空一面に広がる美しい景色を見ながら思った。

 このきれいな月と星を彼女と一緒にみたいな~

 美しい光景を一人で見るのはもったいない。だからと言って、一緒に見る友達も彼女もいない自分は想像上の彼女Aと理想の自分を一人二役で演じることにした

「あの星は、とても美しい。でも、あれは俺が見た中では二番目だね」
「え? あれが一番ではないのですか?」
「はい。私が、見た中で一番美しいのは・・・」

 理想の彼女を見ながら、理想の彼女(俺)は、息を飲み勇気を振り絞って言った。

「私が、見た中で一番美しいのは、あなたの笑顔です」

 照れた様子の彼女(俺)に向けて、さらに言った。

「俺は、お前が大好きだ。付き合ってください!」
「はい」

 その日、初めて俺に彼女(俺)が出来た。
 その後、彼女(俺)と星を見ながら将来のことを考えてみた。まるで、『おめでとう!』と星が言っているからのように、美しく光った。
 流れ星が、空一面に広がる
 四方八方に広がるうちの一つが、自分の方向に落ちてくる

「え、えぇ――!」

 流れ星が近づいてくるにつれようやく理解した。あれは、流れ星ではない。だって、流れ星は『あsfkjd;ふぁkjかfんkなkl;ファン;kぁん;kl』と、変な音を立てない。
 謎の物体は、徐々に近づいてくる。

「俺の手に捕まれ!」

 俺は、急いで彼女(俺)をその物体から避難させようとしたが、どこにもいない
 
「ドシャ―ン!!」

 この不可思議な出会いをきっかけに、俺の人生は軌道を変えた
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