第6話 安心できる場所
文字数 2,226文字
俺の名前は、工藤拓斗。
最近、困ったことがある。それは・・・。
「おい、未来。使ったものはちゃんと片付けてくれ!」
「うい」
俺の娘の未来が来てから、3か月経過した。
一緒に生活してわかったのだが、料理、洗濯、掃除などどれもほんとに俺の娘かと疑問に思うほど上手なのに、唯一俺と同じく片付けだけが苦手なのだ。
「ほら、未来。俺も手伝うから片付けるよ」
「へい」
生理学、解剖学、物理学などの教材を1つ1つ手に取り、本棚にしまった。
読んでみたくなるような本があったが、表紙に難しそうな言葉が書かれていたので読むのをあきらめた。本棚にしまった本を見てみると、どれも難しそうな内容だった。
「なぁ、どこか遊びに行かないか?」
「私は勉強しなきゃいけないので遠慮します」
未来が家にいてから一度も外に遊びに行ったことがないような気がする。
(そういえば、好きな食べ物とかあるのかな?)
「たまには、息抜きも必要だから外に行こう!」
「ちょ、ちょっと!」
未来の手をつかみ外に連れ出した。
「ねぇ、どこに連れていくつもり! 私勉強したいのだけど!」
「それは・・・」
息抜きが必要なのはわかっていたけど、とっさに考えたことだから何をするのか考えていなかった。
「特に、予定無いなら私帰る! じゃあね!」
俺の手を振りほどいた未来は、逆方向に走って行った。
未来のためと思って行ったことが、裏目に出てしまった。
「はぁ。一体俺どうしたらよかったのだろう」
未来が緊張せずにいられるのかわからなくて、途方に暮れた。
未来の父親としてどう接してあげればよかったのだろう。
右も左もわからない未来にどうすれば・・・
(右も左も・・・)
「やばい、未来を探さなきゃ!」
未来は、とても方向音痴で寂しがり屋だだ。
1度、街に出かけに行ったらしいけど、あの時も右も左もわからず迷子になって帰れず、俺が夜遅くに探しに行ったら、『寂しい・・・』と泣いていたぐらに。俺が近づいて抱きしめると泣き止み、安心したのかスヤスヤと寝たぐらいに。。
「そうか、俺が今すべきことは、未来を無理に連れていくのではなく、未来が安心できるように努力することだったのだ!」
俺は、すぐさま未来が行きそうなところ探し回った。
公園、グランド、小学校に行ったが、どこにも彼女の姿はなかった。
「待っていろよ! 未来!」
未来を探し始めて2時間が経過し、行きそうな場所を調べてが、どこにもいなかった。
(未来どこにいる!)
再び探しに出かける俺。
『もしかしたら』と心で思い、町中のありとあらゆるところを探し回る。
でも、どこにもいない。
「待てよ、1か所行ってない場所があるぞ」
忘れていた。
俺の家庭なら切っても切れない縁がある場所。当然、俺の娘の未来も。
工藤家は代々この産婦人科で産まれている。かなり古びた病院だが、俺らにとっては切っても切っても切り外せないほど大切な場所だ。
「やっぱり、ここにいたか。未来」
「なに。何しに来たの?」
未来は、ふてくされながら言った。
やっぱり、俺の推理は間違っていなかった
突然現代に来て、右も左もわからない未来は怖かったと思う。急に俺みたいな馬鹿と一緒に過ごすことになったのだからさらに。
「未来。申し訳ない!」
俺は深々と頭を下げた。
「未来が本当に欲しかったのは、自分が安心して過ごせる場所なのだろ。俺は、3か月一緒に生活しているのにもかかわらず、今日そのことに気づいたよ。ごめん!」
さらに、深々と頭を下げた。
「だから、今日からでも未来が安心して過ごせる努力をさせてくれ!」
「う、うぅぅ・・・」
「未来?」
涙を流しながら俺に抱き着いできた。
服の上からでもわかるぐらい、体が冷めきっていた。
「早く、未来に帰りたいよ!!! お父さんとお母さんに会いたいよ!!!」
泣いているせいか、さらに体が冷えていく。
「未来が、帰れるまでの残り9か月俺も手伝わせてくれ!」
「え?!」
『え?』って、それは・・・
「俺は、お前の父さんだからだ! 困っている泣いている人を助けるのが俺ら、工藤家だろ!」
俺は、未来を抱きかかえた。
服の上から少し暖かくなったのを感じた。それでも、少し寒そうだったから、俺の上着を着させた。
「アイスでも食べていくか?」
「うん!」
近所のスーパーで買ったアイスを店の玄関付近で食べた。
高校生だった時、部活帰りの後買って食べたいたのを思い出した。
アイスを食べる未来はとてもかわいく、どこかあの人に似ていた。
「そういえばさ、未来の父は俺だけど、お母さんは誰なの?」
聞いてはいけない事だとわかっていても、好奇心には勝てなかった。
「私の母親は、りんだよ! とても、ハイテンションな人だよ!」
り、りん? まさか・・・
「そ、それってもしかして! き、きむらりん?」
「うん! 私のお母さん! とてもやさしいよ!」
う、嘘だろ。
あいつが俺のか、かのじょ!
「あ、あり、ありえないよ! だって、りんは・・・」
「うん?」
あ、ありえない。未来の俺はなんでりんと俺が!
「Hey! 誰かと思ったら、拓斗じゃないか!」
(こ、この声は!)
「なんで無視すんだよ! 私だよ私!」
絶対無い、絶対無い、絶対無い!
だって、彼女は・・・
「夜遅くに、女の子と2人は危ないぞ! くどたく!」
あ、あ、嘘だ。き、きか、聞かなきゃ良かった。
だって、か、かの、彼女は、俺の苦手な典型的な陽キャなのだから!!!
最近、困ったことがある。それは・・・。
「おい、未来。使ったものはちゃんと片付けてくれ!」
「うい」
俺の娘の未来が来てから、3か月経過した。
一緒に生活してわかったのだが、料理、洗濯、掃除などどれもほんとに俺の娘かと疑問に思うほど上手なのに、唯一俺と同じく片付けだけが苦手なのだ。
「ほら、未来。俺も手伝うから片付けるよ」
「へい」
生理学、解剖学、物理学などの教材を1つ1つ手に取り、本棚にしまった。
読んでみたくなるような本があったが、表紙に難しそうな言葉が書かれていたので読むのをあきらめた。本棚にしまった本を見てみると、どれも難しそうな内容だった。
「なぁ、どこか遊びに行かないか?」
「私は勉強しなきゃいけないので遠慮します」
未来が家にいてから一度も外に遊びに行ったことがないような気がする。
(そういえば、好きな食べ物とかあるのかな?)
「たまには、息抜きも必要だから外に行こう!」
「ちょ、ちょっと!」
未来の手をつかみ外に連れ出した。
「ねぇ、どこに連れていくつもり! 私勉強したいのだけど!」
「それは・・・」
息抜きが必要なのはわかっていたけど、とっさに考えたことだから何をするのか考えていなかった。
「特に、予定無いなら私帰る! じゃあね!」
俺の手を振りほどいた未来は、逆方向に走って行った。
未来のためと思って行ったことが、裏目に出てしまった。
「はぁ。一体俺どうしたらよかったのだろう」
未来が緊張せずにいられるのかわからなくて、途方に暮れた。
未来の父親としてどう接してあげればよかったのだろう。
右も左もわからない未来にどうすれば・・・
(右も左も・・・)
「やばい、未来を探さなきゃ!」
未来は、とても方向音痴で寂しがり屋だだ。
1度、街に出かけに行ったらしいけど、あの時も右も左もわからず迷子になって帰れず、俺が夜遅くに探しに行ったら、『寂しい・・・』と泣いていたぐらに。俺が近づいて抱きしめると泣き止み、安心したのかスヤスヤと寝たぐらいに。。
「そうか、俺が今すべきことは、未来を無理に連れていくのではなく、未来が安心できるように努力することだったのだ!」
俺は、すぐさま未来が行きそうなところ探し回った。
公園、グランド、小学校に行ったが、どこにも彼女の姿はなかった。
「待っていろよ! 未来!」
未来を探し始めて2時間が経過し、行きそうな場所を調べてが、どこにもいなかった。
(未来どこにいる!)
再び探しに出かける俺。
『もしかしたら』と心で思い、町中のありとあらゆるところを探し回る。
でも、どこにもいない。
「待てよ、1か所行ってない場所があるぞ」
忘れていた。
俺の家庭なら切っても切れない縁がある場所。当然、俺の娘の未来も。
工藤家は代々この産婦人科で産まれている。かなり古びた病院だが、俺らにとっては切っても切っても切り外せないほど大切な場所だ。
「やっぱり、ここにいたか。未来」
「なに。何しに来たの?」
未来は、ふてくされながら言った。
やっぱり、俺の推理は間違っていなかった
突然現代に来て、右も左もわからない未来は怖かったと思う。急に俺みたいな馬鹿と一緒に過ごすことになったのだからさらに。
「未来。申し訳ない!」
俺は深々と頭を下げた。
「未来が本当に欲しかったのは、自分が安心して過ごせる場所なのだろ。俺は、3か月一緒に生活しているのにもかかわらず、今日そのことに気づいたよ。ごめん!」
さらに、深々と頭を下げた。
「だから、今日からでも未来が安心して過ごせる努力をさせてくれ!」
「う、うぅぅ・・・」
「未来?」
涙を流しながら俺に抱き着いできた。
服の上からでもわかるぐらい、体が冷めきっていた。
「早く、未来に帰りたいよ!!! お父さんとお母さんに会いたいよ!!!」
泣いているせいか、さらに体が冷えていく。
「未来が、帰れるまでの残り9か月俺も手伝わせてくれ!」
「え?!」
『え?』って、それは・・・
「俺は、お前の父さんだからだ! 困っている泣いている人を助けるのが俺ら、工藤家だろ!」
俺は、未来を抱きかかえた。
服の上から少し暖かくなったのを感じた。それでも、少し寒そうだったから、俺の上着を着させた。
「アイスでも食べていくか?」
「うん!」
近所のスーパーで買ったアイスを店の玄関付近で食べた。
高校生だった時、部活帰りの後買って食べたいたのを思い出した。
アイスを食べる未来はとてもかわいく、どこかあの人に似ていた。
「そういえばさ、未来の父は俺だけど、お母さんは誰なの?」
聞いてはいけない事だとわかっていても、好奇心には勝てなかった。
「私の母親は、りんだよ! とても、ハイテンションな人だよ!」
り、りん? まさか・・・
「そ、それってもしかして! き、きむらりん?」
「うん! 私のお母さん! とてもやさしいよ!」
う、嘘だろ。
あいつが俺のか、かのじょ!
「あ、あり、ありえないよ! だって、りんは・・・」
「うん?」
あ、ありえない。未来の俺はなんでりんと俺が!
「Hey! 誰かと思ったら、拓斗じゃないか!」
(こ、この声は!)
「なんで無視すんだよ! 私だよ私!」
絶対無い、絶対無い、絶対無い!
だって、彼女は・・・
「夜遅くに、女の子と2人は危ないぞ! くどたく!」
あ、あ、嘘だ。き、きか、聞かなきゃ良かった。
だって、か、かの、彼女は、俺の苦手な典型的な陽キャなのだから!!!