プロローグ　〜死に急ぐ君への鎮魂歌〜

君はなにゆえに生き急ぐのか
生きることに全霊を注ぎ
注ぐほどに虚しく

君はなにゆえに死に急ぐのか
生きることに寂しさを感じ
感じるほどに切なく

生まれてきたことに罪を感じ
生き続けることに苦痛を感じ
たった一人抱え込んで
君は死を選んだ

僕は知ってる
だから君を責めはしない

僕は忘れない
君は全身全霊で生き抜いた

でもほんとうは
もう少し君を見ていたかった
もう一度君と笑いたかった

もう誰も君を傷つけはしない
だからもう自分を責めないでおくれ

ゆっくりと
焦らずに
安住の地に赴いて
そしてどうか安らかに
いつか僕もそこに行くから