第1話 異次元からの転移
文字数 1,636文字
————————異常事態は突然に!?————————
「んが~ ぐご~…むにゃむにゃ…ファッ!? どこだここ!?」
サングラスをかけた色黒の男は目を覚ますといつの間にかいつも寝ている寝室とは大違いの王室のような部屋で寝ていることに気が付いた。
辺りを確認してみるとそれはもう豪華な部屋で、ン十万としそうな家具が並びに並んだ煌びやかな部屋であった。
「えぇ…」
何故自分がここにいるのか? 誰かに連れてこられたのか? あるいはこれは夢なのか?などなど疑問は尽きなかった。と、そこへ後ろ側のドアが開いて黒髪の青年が入ってきた。
部屋の様子を見るなり黒髪の青年は剣を構えて、
「な…何者だッ!!」
「ファッ!? ちょっ!ちょっと待って!! タンマ!!」
色黒の男がそういうと、何を思ったのか剣を仕舞い、
「…? まさか、侵入したわけではないというのか? …事情を説明してくれないか? なぜこの場所に貴殿がいる? この部屋は完全な密室だったはずだが」
黒髪の青年がそう言うと色黒の男は、自室で寝ていて目が覚めたらいつの間にかこの部屋にいたことを話した
「いつの間にかこの部屋にいた、と?」
「はい…目が覚めたらいつの間にかこの部屋にいてもう何が何だかわからないんですよぉ…」
「なるほどそのようなことが…」
黒髪の青年は少し考えて、
「恐らくそれはラドンという奴の仕業だろう」
と返した。
「ラドン? 誰だよそいつは?」
「この国を、いやこの国のみならず世界を脅かしている悪党だ。異世界から人を転送する能力を持つという。我が国も討伐に臨んでいるが、奴の勢力は非常に強大で国境に押し留めるのがやっとだ…。現国王も奴の手にかかり意識不明の重体なのだ」
青年の顔色を見るに事態は大分深刻なようであった。
それはそうと、色黒の男はどうして自分がこの世界に送られてきたのかが気になった。
「で、なんで俺がこの世界に送られてきたんだよ?」
「奴は極度の女好きで、女性に全く興味のない男性ばかりを異世界から意図的に選んで、我々の世界に転送している。女性に興味がある男性や好かれやすい男性を抹殺し、男性が女性と全く縁がないか女性に全く興味を示さない世界にこの世界を変えようとしているそうだ。貴方がこちらの世界に連れてこられたのも恐らくはそのためだろう」
「マジかよ…」
色黒の男は自分がホモであることをどうやって見抜いたのかなど疑問はあったが、それ以上にあまりにも下らなさすぎる理由で異世界に連れてこられたことに怒りを通り越して心底呆れを感じていた。
「申し訳ない、しばし不便をおかけするが、住居はこちらで手配する故、二カ月程そちらでお過ごしいただけないだろうか?それまでには元の世界に戻る魔方陣は手配させる、その時まではお待ちいただきたい」
「仕方ないな…二カ月までは待つから、それまでにはちゃんと完成させて下さいよ? 後そのラドンの討伐だけど、俺も協力するぜ。ラドンを芸術品に仕立てや…仕立て上げてやんだよ」
「(芸術品に…?)かたじけない…。もしよろしければお名前、お聞かせ願えるだろうか? 申し遅れたが、私の名はハーツ・C・ゲインズ この国、ゲインズ王国の第一王子だ。今は意識が戻られぬ王の代行を臨時で行っている。何かお困りなら是非私を頼ってほしい。ご迷惑をおかけした以上、せめてお力添えさせていただきたい」
「俺はタツヤだ。普段はSMバーのバーテンダ―をやってるぜ。」
「タツヤ殿か。これから何卒よろしく頼む」
そう言うとハーツは部下を呼び、早速家屋の手配をさせた。
その後、タツヤをその部下に手配された家屋に案内させた。家屋の内部を見るなりタツヤは、
「ほーん、ここか…じゃ、改装するか!」
早速自分好みの部屋に改修にかかった。
改修を始めて数時間後、家屋は元の面影すら残さずすっかりバーに変貌した。
「これで良しと! SMバー「BAR Tatsuya」ゲインズ王国で新装開店だぜぇ~」
これはタツヤという一人の男が元の世界に帰るまでの物語である——————
「んが~ ぐご~…むにゃむにゃ…ファッ!? どこだここ!?」
サングラスをかけた色黒の男は目を覚ますといつの間にかいつも寝ている寝室とは大違いの王室のような部屋で寝ていることに気が付いた。
辺りを確認してみるとそれはもう豪華な部屋で、ン十万としそうな家具が並びに並んだ煌びやかな部屋であった。
「えぇ…」
何故自分がここにいるのか? 誰かに連れてこられたのか? あるいはこれは夢なのか?などなど疑問は尽きなかった。と、そこへ後ろ側のドアが開いて黒髪の青年が入ってきた。
部屋の様子を見るなり黒髪の青年は剣を構えて、
「な…何者だッ!!」
「ファッ!? ちょっ!ちょっと待って!! タンマ!!」
色黒の男がそういうと、何を思ったのか剣を仕舞い、
「…? まさか、侵入したわけではないというのか? …事情を説明してくれないか? なぜこの場所に貴殿がいる? この部屋は完全な密室だったはずだが」
黒髪の青年がそう言うと色黒の男は、自室で寝ていて目が覚めたらいつの間にかこの部屋にいたことを話した
「いつの間にかこの部屋にいた、と?」
「はい…目が覚めたらいつの間にかこの部屋にいてもう何が何だかわからないんですよぉ…」
「なるほどそのようなことが…」
黒髪の青年は少し考えて、
「恐らくそれはラドンという奴の仕業だろう」
と返した。
「ラドン? 誰だよそいつは?」
「この国を、いやこの国のみならず世界を脅かしている悪党だ。異世界から人を転送する能力を持つという。我が国も討伐に臨んでいるが、奴の勢力は非常に強大で国境に押し留めるのがやっとだ…。現国王も奴の手にかかり意識不明の重体なのだ」
青年の顔色を見るに事態は大分深刻なようであった。
それはそうと、色黒の男はどうして自分がこの世界に送られてきたのかが気になった。
「で、なんで俺がこの世界に送られてきたんだよ?」
「奴は極度の女好きで、女性に全く興味のない男性ばかりを異世界から意図的に選んで、我々の世界に転送している。女性に興味がある男性や好かれやすい男性を抹殺し、男性が女性と全く縁がないか女性に全く興味を示さない世界にこの世界を変えようとしているそうだ。貴方がこちらの世界に連れてこられたのも恐らくはそのためだろう」
「マジかよ…」
色黒の男は自分がホモであることをどうやって見抜いたのかなど疑問はあったが、それ以上にあまりにも下らなさすぎる理由で異世界に連れてこられたことに怒りを通り越して心底呆れを感じていた。
「申し訳ない、しばし不便をおかけするが、住居はこちらで手配する故、二カ月程そちらでお過ごしいただけないだろうか?それまでには元の世界に戻る魔方陣は手配させる、その時まではお待ちいただきたい」
「仕方ないな…二カ月までは待つから、それまでにはちゃんと完成させて下さいよ? 後そのラドンの討伐だけど、俺も協力するぜ。ラドンを芸術品に仕立てや…仕立て上げてやんだよ」
「(芸術品に…?)かたじけない…。もしよろしければお名前、お聞かせ願えるだろうか? 申し遅れたが、私の名はハーツ・C・ゲインズ この国、ゲインズ王国の第一王子だ。今は意識が戻られぬ王の代行を臨時で行っている。何かお困りなら是非私を頼ってほしい。ご迷惑をおかけした以上、せめてお力添えさせていただきたい」
「俺はタツヤだ。普段はSMバーのバーテンダ―をやってるぜ。」
「タツヤ殿か。これから何卒よろしく頼む」
そう言うとハーツは部下を呼び、早速家屋の手配をさせた。
その後、タツヤをその部下に手配された家屋に案内させた。家屋の内部を見るなりタツヤは、
「ほーん、ここか…じゃ、改装するか!」
早速自分好みの部屋に改修にかかった。
改修を始めて数時間後、家屋は元の面影すら残さずすっかりバーに変貌した。
「これで良しと! SMバー「BAR Tatsuya」ゲインズ王国で新装開店だぜぇ~」
これはタツヤという一人の男が元の世界に帰るまでの物語である——————