第6話 公女達の逃避行

文字数 1,549文字

———ゲインズ王国城下町トゥルヌンドゥス———

キム達が公女誘拐を準備している一方城下町では…

「のぅビスチェ、かの村の者達の話を余にしてたもれ★」

と、公女らしき少女が従者らしき長髪の女性と共に歩きながら問いかけていた。

「お嬢様、その者の中の一人は異世界から来たのだとか。サングラスをかけており名はタツヤというそうです…何でも調教の才能を持つそうですわ」

自国がラドンの手に落ちたにもかかわらず城下町をぶらぶら呑気にゲインズ王国城下町へ練り歩きに来ていた。

「調教とな?それはいかなるものなのじゃ」

「私めもよく存じ上げないのですが意志を持った人間を意のままに動く人間に変える術なのだとか。かの者も相当高度な調教術の使い手とのことです」

「なるほど、あいわかったぞ★。母上が男に使うのと同じようなものなのじゃな★。その者、随分たらしなんじゃの~」

それは色気でしょ…と内心ツッコミを入れずにはいられないビスチェであった。ビスチェは頭が良くない公女について

(はぁ~なんでこんなんに仕えなきゃいけないんだか…もっとマシなのに仕えたかったわ~)

と内心不満を零していた。
そんなこんなでしばらく二人して並んで歩いていると、

「おいそこの。ちょっと顔見せてみろよ」

と赤服の男に呼び止められた。

「ん?何じゃお主は」

「ほーぉ、誰かと思えば隣国の公女様じゃねえか。俺と一緒に来てもらうぜ?もし出来ねぇってんなら…わかってんだろうなぁ?」

いきなり命令形で話しかけられたことに公女は腹を立て、

「なんじゃこの無礼者は!! ビスチェ、こやつをぶちのめせ!!

しかし当のビスチェは

(こ、この男は確か…ゲインズ王国でも随一の荒くれ者…パク・ヨンス! これはまずいことになったわね…この際公女は置いてさっさと逃げよっ! こんな所で死ぬなんて真っ平ごめんだわっ!)

「来る気はねぇらしいな…オイてめぇら!!こいつらをとっ捕まえろ!!

「なっ…!」

パクがそう言うと取り巻きの兵士が一斉に彼女たちを取り囲んだ。

「お嬢様、私は逃げます!お嬢様も早くお逃げください!!

そう言うと囲まれる寸前にビスチェは一目散に走って逃げた。

「あ!ちょ、待たんかーーっ!!

公女も囲いを抜けだし、急いでビスチェを追いかけた。

「待ちやがれオラァ!!

パクの部隊も一斉に追撃に掛かった。
かくしてパティ達はどうにか城下町の門の前まで逃げるも…

「逃げ道を塞がれた…じゃと…?」

「ひっ…!」

追手が待ち伏せており、後ろからも追手が来て完全に囲まれてしまった。

「もう逃げられんぞ!」

「大人しくしてもらおうじゃねえか、ええ?」

万事休すかと思われたその時、

「うおりゃああああああ!!

「ごあっ!!

敵兵の一人が突然大きく吹っ飛ばされた。

「な…なんだとぉ…」

「誰だっ!?ごふっ!!ぐぅ…」

もう一人の敵兵も吹っ飛ばされ、気を失った。

(こ、今度は誰!?)

ビスチェが突然の出来事に困惑していると、グリフォンに乗った男女が下りてきた。

「公女様、ご無事ですか?」

「どうにか間に合ったみたいっすね!」

「おぬしらは…何奴じゃ?」

「お初にお目にかかります、公女様。ゲインズ王国元親衛隊アニータ・バーンズと申します」

「同じく元親衛隊のバーニーです!よろしくっす!」

公女は初めは困惑していたが王国親衛隊の人間だとわかると、

「おぉ! ゲインズ王国の元親衛隊の者か★!頼りにしておるぞ!!

と、嬉しそうな表情になった。アニータは

「じき追手が来ます!詳しい話は後ほどいたしますので今はとにかく逃げましょう!!

「し、しかし…逃げるあてはおありなのですか?一体どこへ…」

「そのことについては任せてください!良い逃げ場所、知ってるっすから!さ、俺についてきてください!!

かくしてバーニー達と共に公女一行の逃避行が始まった。
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登場人物紹介

※こちらは「タツヤさんの悶絶調教RPG」という残念なアサシン様の作品の二次創作になります!アサシン様、誠にありがとうございます!


タツヤ

32歳 170cm 67kg

本作の主人公 ガチムチのホモで、BAR Tatsuyaというバーを経営している


ルシア・ネーヴァ

24歳 168cm 60kg

キンバリー村の自警団の女剣士。真面目で凛々しい性格。


テミス・クルツ

23歳 169cm 61kg

キンバリー村の出稼ぎ労働者。自警団も兼任している。金にがめついが情にも厚い。


ファティマ・ムハマド

29歳 173cm 63kg

キンバリー村の出稼ぎ労働者。自警団も兼任している。男勝りで常識人な性格。


リスティ・ヴェルニー

22歳 163cm 48kg

キンバリー村の魔術師。趣味はホモ漫画鑑賞。


レナリア・メーヴェラック

24歳 165.5cm 49kg

フルーレ公国出身のレンジャー。タツヤさんに惚れている。


アニータ・バーンズ

28歳 169cm 58kg

元ゲインズ王国親衛隊。実はゲインズ王国の元令嬢。


バーニー・バーンズ

32歳 177cm 81kg

元ゲインズ王国親衛隊。アニータの夫だがおっちょこちょい。


ヴァーチェ・ドラゴネル

24歳 178cm 78kg

キンバリー村に赴任してきた役人。ドラゴネル家の次男でガラの悪いドラ息子。


キム・スンホン

41歳 177cm 74kg

メイド酒場「ラブ」のマスターだが裏では人身売買や洗脳などを行う極悪人。


リューコ・バデル

30歳 153cm 42kg

キンバリー村に最近引っ越してきた薬剤師。

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