第2話 身勝手な役人の横暴
文字数 2,806文字
————————強者は妬まれるもの(キリッ
タツヤがSMバー「BAR Tatsuya」を開店してから2週間後、持ち前の経営手腕に加え、ラドンがホモを大量に転送してきたこともあってバーはたちまちのうちに大繁盛になった。
ここしばらく物寂しかったキンバリー村にも活気が戻りタツヤの活躍は老若男女問わず皆に認められタツヤ自身もすっかり村の人気者となっていた。
ホモな男性を中心に交友関係も広くなり、何不自由なく快適な日々を送っていたが…
————————場面変わってキンバリー村の役所————————
コン! コン!
「失礼いたします、ヴァーチェ様」
「おう入れ、クソが」
ヴァーチェ・ドラゴネル———数日前に親のコネでキンバリー村の役人に赴任した、極めて横暴で身勝手な性格で部下からも内心嫌われているドラゴネル家のドラ息子である。部下が入ってくるなり彼は、
「あの見るからにホモ臭しかしねぇバーが随分盛況を呈しているらしいじゃねえか。えーっと…バータツヤだっけ? 金積まれても入りたくならねえ気色悪くてだっせえ名前のバーだよな!」
と、笑いながら言った。
「仰る通りですよ!なんであんな気色悪い店が人気なのか…」
「それで? あのゲロよりキモい糞未満のバーを経営してんのはどこのカスよ?」
「はっ、タツヤという者が経営をしているそうです」
「あぁ、あの異世界から来たというクッソキモイ面しやがった見るからにモブっぽいオッサンか 馬糞みてえなナメた面しやがって、銀の斧でフルスイングして粉砕してやりてえと思ってたぜ」
と、ここまではケタケタ笑いながらタツヤを馬鹿にしていたヴァーチェだったが、
「話を聞くところによるとハーツ王子に気に入られているとのことですがいかがなさいますか?」
「なっ…なんだとおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」
王子に気に入られているという部下の言葉を聞いた途端、突然怒り狂って机を持っていた銀の斧で粉砕した。
「キモい面の癖に店が大繁盛ってのもムカついてたが王子にまで気に入られてるだとぉ!?ゼッテェ許せねぇ!!あのキモメン馬糞野郎、八つ裂きにして家畜の餌にしてやる!!!オイ!」
「はっ!」
「奴を重罪人として処刑しに行くぞ!シムノンも召集しろ!!邪魔する奴も全員同罪だああぁぁ!!!」
そう言うとヴァーチェは部下を連れてBAR Tatsuya付近の駐屯所に向かっていった。
————————再び場面変わって「BAR Tatsuya」————————
ガチャッ!!
「た…大変だっ! タツヤさん、大変だああああ!!」
タツヤは1週間ぶりに来た客が必死の表情な事に少し困惑したが、
「あらいらっしゃい、ゼンさん ご無沙汰じゃないですか、どうしたんスか」
と聞き返した。するとゼンは、
「役人が…役人が私兵を率いてタツヤさんを重罪人として処刑しようとバーに押し寄せてきてるんだ!」
「何だって?ウッソだろwwwお前wwww」
荒唐無稽すぎる話に吹き出してしまった。
「嘘じゃないんだ!外を見てくれ!!」
ゼンにそう言われて渋々外に出て様子を見ると、
「『BAR Tatsuya』のバーテンダー、タツヤは我が国民に同性愛を広めるという重罪を犯した!!よって重罪人として処刑する!!早急にタツヤをこちらに引き渡せ!!早急に渡されない場合、キンバリー村に総攻撃を開始する!!」
役人の部下であろう兵士が怒鳴りつけている様子が見て取れた。その様子を見たタツヤは、
「マジかよ…」
と困惑していた。
———少し場面変わって村の広場———
「おいおい…マジかよ!あのヴァーチェが…!」
「俺達ゃどうすりゃいいんだ!?」
「ここは私が何とかする! 皆、速やかに避難しな!!」
筋肉質の凛々しい色黒の女性が村人たちに指示を出している。
と、そこへ槍を持った金髪の女性もやって来た。
「なんて横暴な奴らなんだい…!許しちゃおけないね!あたしも手を貸すよファティマ!奴らを追っ払うよ!!」
「敵は私が引き受ける!テミス、あんたはサポートに回ってくれ!」
「オッケー!…みんな、速く逃げな! 敵はあたしらが抑えるから!」
そう言って村人たちを避難させた。
———更に場面変わってBAR Tatsuya前———
「ヴァーチェ…!」
剣を持ったタツヤと同じくらいの身長の青髪の女性がヴァーチェのいるであろう方角を睨みつけている。そこへタツヤがやってきて、
「おい、これは一体どういうことなんだよオォン?」
と聞いた。
「貴方がタツヤさんですか?速やかに避難して下さい!ヴァーチェが貴方の命を狙っています!!」
この村でも割と顔が知られていたためか女性はタツヤの事を知っているようだった。
「ヴァーチェ? 何モンなんだよそいつは?」
「最近この村に赴任してきた役人です。極めて身勝手かつ横暴な性格で以前赴任していた村の数々で理不尽な因縁をつけては村人を殺して略奪するということばかり繰り返していたそうです。その姿はもはや国に奉仕する役人ではなく賊そのものだったとか…。この村でも同じようなことをするはずです」
「役人が略奪と殺人しかしねえとかウッソだろお前www そのヴァーチェってやつヴァカじゃねww?」
「申し遅れましたが私、ルシア=ネーヴァといいます。この村で自警団をしている者です。タツヤさんのお話は皆さんからお聞きしております。貴方はこの村の誇りです!よろしくお願いしますね」
「よろしくナス!ヴァーチェは死ぬ寸前まで痛めつけてやらねぇとな?」
「タツヤさん、それは危険です!奴は武術の達人、並の人間では到底勝てません!!速やかに逃げてください!」
「あぁ?ここで逃げたらもうホモビが作れなくなっちまうだろうが!あの野郎ぶっ倒してホモビ撮影sis…撮影してやんだよオラァ!」
タツヤは多少噛みながらも言い切ったが、ルシアは聞きなれない言葉に怪訝そうな表情をした。
「ホモビ…?」
「あら、ルシア。貴方ホモビをご存知ないのかしら?」
今度は緑髪の黒装束の女性が会話に割って入ってきた。
「リスティ!?いつからそこに?」
「先程からずっとおりましたわよ」
リスティは今までいたことに気づいて貰えなかったからか少し不機嫌そうな顔をしていた。
「ホモビはホモビデオの略語ですわ。漢と漢の愛と感動の物語を収めた神聖なるビデオですの」
ホモビの説明を聞いたルシアはますます怪訝そうな表情になった。
そんなルシアを気にせずリスティはタツヤに向き直り、
「私はリスティ、BL物が大好きですの、以後お見知りおきを。タツヤさん、貴方素敵なホモビをお作りになるそうね。応援させて頂きますわ。あのヴァーチェという男をぶっ飛ばして差し上げましょう!」
「よろしくナス!奴のホモビでもう一儲けしてやるぜ!!」
「とはいえ、これしか人数がいないと少々分が悪いですわね。広場に向かいましょう、自警団の仲間がいるはずだわ」
「おう!」
タツヤ達は早速、リスティに案内されて広場へと向かっていった。
タツヤがSMバー「BAR Tatsuya」を開店してから2週間後、持ち前の経営手腕に加え、ラドンがホモを大量に転送してきたこともあってバーはたちまちのうちに大繁盛になった。
ここしばらく物寂しかったキンバリー村にも活気が戻りタツヤの活躍は老若男女問わず皆に認められタツヤ自身もすっかり村の人気者となっていた。
ホモな男性を中心に交友関係も広くなり、何不自由なく快適な日々を送っていたが…
————————場面変わってキンバリー村の役所————————
コン! コン!
「失礼いたします、ヴァーチェ様」
「おう入れ、クソが」
ヴァーチェ・ドラゴネル———数日前に親のコネでキンバリー村の役人に赴任した、極めて横暴で身勝手な性格で部下からも内心嫌われているドラゴネル家のドラ息子である。部下が入ってくるなり彼は、
「あの見るからにホモ臭しかしねぇバーが随分盛況を呈しているらしいじゃねえか。えーっと…バータツヤだっけ? 金積まれても入りたくならねえ気色悪くてだっせえ名前のバーだよな!」
と、笑いながら言った。
「仰る通りですよ!なんであんな気色悪い店が人気なのか…」
「それで? あのゲロよりキモい糞未満のバーを経営してんのはどこのカスよ?」
「はっ、タツヤという者が経営をしているそうです」
「あぁ、あの異世界から来たというクッソキモイ面しやがった見るからにモブっぽいオッサンか 馬糞みてえなナメた面しやがって、銀の斧でフルスイングして粉砕してやりてえと思ってたぜ」
と、ここまではケタケタ笑いながらタツヤを馬鹿にしていたヴァーチェだったが、
「話を聞くところによるとハーツ王子に気に入られているとのことですがいかがなさいますか?」
「なっ…なんだとおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」
王子に気に入られているという部下の言葉を聞いた途端、突然怒り狂って机を持っていた銀の斧で粉砕した。
「キモい面の癖に店が大繁盛ってのもムカついてたが王子にまで気に入られてるだとぉ!?ゼッテェ許せねぇ!!あのキモメン馬糞野郎、八つ裂きにして家畜の餌にしてやる!!!オイ!」
「はっ!」
「奴を重罪人として処刑しに行くぞ!シムノンも召集しろ!!邪魔する奴も全員同罪だああぁぁ!!!」
そう言うとヴァーチェは部下を連れてBAR Tatsuya付近の駐屯所に向かっていった。
————————再び場面変わって「BAR Tatsuya」————————
ガチャッ!!
「た…大変だっ! タツヤさん、大変だああああ!!」
タツヤは1週間ぶりに来た客が必死の表情な事に少し困惑したが、
「あらいらっしゃい、ゼンさん ご無沙汰じゃないですか、どうしたんスか」
と聞き返した。するとゼンは、
「役人が…役人が私兵を率いてタツヤさんを重罪人として処刑しようとバーに押し寄せてきてるんだ!」
「何だって?ウッソだろwwwお前wwww」
荒唐無稽すぎる話に吹き出してしまった。
「嘘じゃないんだ!外を見てくれ!!」
ゼンにそう言われて渋々外に出て様子を見ると、
「『BAR Tatsuya』のバーテンダー、タツヤは我が国民に同性愛を広めるという重罪を犯した!!よって重罪人として処刑する!!早急にタツヤをこちらに引き渡せ!!早急に渡されない場合、キンバリー村に総攻撃を開始する!!」
役人の部下であろう兵士が怒鳴りつけている様子が見て取れた。その様子を見たタツヤは、
「マジかよ…」
と困惑していた。
———少し場面変わって村の広場———
「おいおい…マジかよ!あのヴァーチェが…!」
「俺達ゃどうすりゃいいんだ!?」
「ここは私が何とかする! 皆、速やかに避難しな!!」
筋肉質の凛々しい色黒の女性が村人たちに指示を出している。
と、そこへ槍を持った金髪の女性もやって来た。
「なんて横暴な奴らなんだい…!許しちゃおけないね!あたしも手を貸すよファティマ!奴らを追っ払うよ!!」
「敵は私が引き受ける!テミス、あんたはサポートに回ってくれ!」
「オッケー!…みんな、速く逃げな! 敵はあたしらが抑えるから!」
そう言って村人たちを避難させた。
———更に場面変わってBAR Tatsuya前———
「ヴァーチェ…!」
剣を持ったタツヤと同じくらいの身長の青髪の女性がヴァーチェのいるであろう方角を睨みつけている。そこへタツヤがやってきて、
「おい、これは一体どういうことなんだよオォン?」
と聞いた。
「貴方がタツヤさんですか?速やかに避難して下さい!ヴァーチェが貴方の命を狙っています!!」
この村でも割と顔が知られていたためか女性はタツヤの事を知っているようだった。
「ヴァーチェ? 何モンなんだよそいつは?」
「最近この村に赴任してきた役人です。極めて身勝手かつ横暴な性格で以前赴任していた村の数々で理不尽な因縁をつけては村人を殺して略奪するということばかり繰り返していたそうです。その姿はもはや国に奉仕する役人ではなく賊そのものだったとか…。この村でも同じようなことをするはずです」
「役人が略奪と殺人しかしねえとかウッソだろお前www そのヴァーチェってやつヴァカじゃねww?」
「申し遅れましたが私、ルシア=ネーヴァといいます。この村で自警団をしている者です。タツヤさんのお話は皆さんからお聞きしております。貴方はこの村の誇りです!よろしくお願いしますね」
「よろしくナス!ヴァーチェは死ぬ寸前まで痛めつけてやらねぇとな?」
「タツヤさん、それは危険です!奴は武術の達人、並の人間では到底勝てません!!速やかに逃げてください!」
「あぁ?ここで逃げたらもうホモビが作れなくなっちまうだろうが!あの野郎ぶっ倒してホモビ撮影sis…撮影してやんだよオラァ!」
タツヤは多少噛みながらも言い切ったが、ルシアは聞きなれない言葉に怪訝そうな表情をした。
「ホモビ…?」
「あら、ルシア。貴方ホモビをご存知ないのかしら?」
今度は緑髪の黒装束の女性が会話に割って入ってきた。
「リスティ!?いつからそこに?」
「先程からずっとおりましたわよ」
リスティは今までいたことに気づいて貰えなかったからか少し不機嫌そうな顔をしていた。
「ホモビはホモビデオの略語ですわ。漢と漢の愛と感動の物語を収めた神聖なるビデオですの」
ホモビの説明を聞いたルシアはますます怪訝そうな表情になった。
そんなルシアを気にせずリスティはタツヤに向き直り、
「私はリスティ、BL物が大好きですの、以後お見知りおきを。タツヤさん、貴方素敵なホモビをお作りになるそうね。応援させて頂きますわ。あのヴァーチェという男をぶっ飛ばして差し上げましょう!」
「よろしくナス!奴のホモビでもう一儲けしてやるぜ!!」
「とはいえ、これしか人数がいないと少々分が悪いですわね。広場に向かいましょう、自警団の仲間がいるはずだわ」
「おう!」
タツヤ達は早速、リスティに案内されて広場へと向かっていった。