* WBC狂騒曲 ~1次ラウンド

文字数 1,253文字

 日本中を沸き立たせているWBC。
 
 宮崎キャンプ――
 練習試合にかかわらずチケットは抽選制。さらにグッズを買いに訪れた人たちで場外も大混雑、入れ替え制での販売となっていた。
 
 強化試合 名古屋バンテリンドーム――
 メジャー組が合流したが、規制のため練習のみ参加。初お目見えのヌードバー選手には、練習時チームメンバーがミドルネーム達治から取った「たっちゃん」Tシャツ姿で歓迎の意を表す微笑ましい風景。
 そして、大谷選手がバッティング練習を始めると、対戦相手の中日の選手までもがベンチ前に並んで興味津々。そのまなざしはまるで野球少年のようだ。その前で、大谷選手は特大ホームランを連発していた。
 
 強化試合 大阪京セラドーム――
 いよいよ、メジャー組も出場。名古屋同様、大谷選手のバッティング練習にはプロ野球選手たちの人だかり。そして試合が始まると、挨拶代わりの2ホーマー。それも片膝をつきながら、あるいは詰まりながらスタンドへ運び、みんなを驚かせた。
 
 初戦の中国戦――
 我らが大谷投手の先発。球場中のスマートフォンが一人の選手に向けられるという特殊な光景。その中で4回を1安打に抑え、ヌートバー選手も攻守に活躍。8対1で勝利したが、序盤は緊迫した状態が続き、緊張感漂う国際試合ならではの特別な空気に包まれていた。
 
 韓国戦――
 初戦に負けて後がない韓国チーム。どれほどの覚悟で来るかと身構える中、頼りのダルビッシュ投手が3点を先行された。不安がよぎったがすぐに日本が逆転。終わってみればコールドゲーム手前の13対4。この試合でもヌートバー選手が攻守に大活躍しお立ち台に上がった。
「ニッポンダイスキ! ミンナアリガトウ!」日本のファンを虜にした。
 
 チェコ戦――
 選手がそれぞれ仕事を持っているという異色のチーム。日本の勝利で点差こそついたが、何とも気持ちの良いゲームだった。デッドボールを当てられたチェコの選手の行動、それに対する日本選手の振るまい、そして極めつけは負けたチェコの選手たちが試合終了後、みんなで相手を称える姿。スポーツマンシップという言葉がぴったりの光景。チェコチームは日本人の心をしっかりと掴んだ。
 
 オーストラリア戦――
 今大会初めての先攻で初回に先取点。それも大谷選手の特大ホームラン、その打球がなんと自身の看板直撃というから驚きだ。そして、これまでは序盤に苦しんだが、勢いそのままに快勝。
 大谷選手のホームランを手にした最高に幸運の女性。その女性の優しい行動が話題に。周りの人たちにその大切なボールを渡し、次々と記念撮影。そして最後にちゃんとボールは女性の元に。海外メディアからは、日本だからこその光景と絶賛されていた。
             
 さあ、明日は準々決勝。
 投打に好調の大谷選手。出塁率が高く機動力に優れた1、2番。下位打線から上位に繋ぐ切れ目のない打線。加えて、頼もしい投手陣。
 期待が膨らむ一戦となりそうだ。
 

                  2023.3.15

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