第8話

文字数 326文字

僕らはカーテンで仕切った万年床に入った。
何故かはわからなかった。
「誕生日、何が欲しい?」
そんなの咄嗟にわからない。 
「そういう時は、みいちゃんが欲しいって言うんだよ」
あの訛で。 
「み、みいちゃんが、欲しい」
うん、と頷き、ブラのホックを外す。
「あ、いや、明日、だから。それまで我慢するから」
「我慢しなくて良いよ」
握られ、観念。
コンドームの付け方がわからない。
練習しとけばよかった。
「入ってる?」
「ん」
初めて、いつまでも出なくて困った。 
バイクの音、兄貴が帰ってきた。 
僕らはひとつになったまま、動かなかった。

それから数日。
僕が帰ると彼女は居なかった。
兄貴のバイク。
その後ろに彼女。
ひとつ年上。 
僕は、彼女の手のひらの上、ころころ転がる事しか出来なかった。
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