第1話

文字数 282文字

どん底に居る時、奇跡は起きる。
いや、どん底だから、奇跡に思えるのか?
わかんねーよ。
恋は盲目とか言うしな。

あんなに探して見つからなかった。
30年間。
見失ってたんじゃなくて、見てなかったんだ。
それは、僕がずっとやってきた音楽やうたではなく、暗い暗い文章から始まって、一生変わる事がなかった。
死のにおいがする。
そんな文章。
僕は、それをどっかに押しやってどうにか爽やかな、うきうき弾む様な、またはただ美しく佇むみたいな文章を書きたかった。
それは叶わなかった。
だってこれから僕は死ぬんだ。
自分がそれしか書けなかった、その通りに。

昨日、彼女が居なくなったから。
理由はそれだけ。
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