第2話

文字数 432文字

「2着にナナヨーウイングが突っ込んで来たっ!」
カーラジオのアナウンサーの声。
「うわあー、マジか。」
うなだれるバンド仲間。
買っていた。
万馬券。
100円が、12万に化けた。
けれど、嫌な予感。
初めてパチンコして15000円買った時は、路駐の車にオレンジ色のバッグがぶら下がっていた。
初めて競馬して500円が10万円になった後、それ以上に負けた。
幸運。
そんなもの、それ以上の不運との交換条件で、もし先にそいつが起こったなら、次に待ってるのは不運でしかない。
そうそうないから「幸運」なのであり、それならそんなものない方が良い。
ちょっとツイてない日々を波風無く送る方が、幸せなんじゃないだろうか?
そんな風にさえ、思い始めていた。
間髪入れずに鳴る電話。
秘密の恋の相手から。
みんなが知ってるなかで、今ふたりがそうなってる事はみんな知らないし、知られちゃいけない。
だって彼女、今助手席に居るやつの事、ほんとは好きなんだろうから。
勘違いかもしれないけど。
数時間後、彼女に会いに行った。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み