第4話

文字数 339文字

20年前にはなかったSNSというネットワーク。検索して秀ちゃんのページを開けば20年の時間を共有する事は容易かった。 
秀ちゃんは、私と出会ったすぐ後に大学もアルバイトも辞めて単身イタリアへ渡っていた。

その理由がピザ職人の修行のため。
そして、数年前、地元の有名温泉地にイタリアンレストランをオープンして
TVにも紹介されるほどの有名店に。
素敵すぎた。この人はどこまでも私の好みの男性だ。
容姿から生き方まで素敵すぎる。
そして、きっと私の事なんて覚えてないんだろうな。でも、でもと僅かに残る乙女心を振り絞りSNSからメッセージを送った。
「TVでご活躍を拝見しました。私のこと 覚えていますか?」
写真付きのメッセージ。
再び動き出したフィクションの世界は心臓の拍動さえ生き生きと感じられた。
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