第19話 下の子の帰省③

文字数 862文字

 帰省あるあるです。

 この2年ほど、コロナの影響もあって、下の子は祝日などの休暇に帰省しなかった。だから今回は久しぶりの長い帰省となる。退職はネガティヴなイメージがあるが、私にとっては又とない貴重な時間が出来て嬉しく思っている。所帯を持っていたらこうはいかない。下の子も今やアラサーだ。結婚を急かすつもりは毛頭ないが、縁は何処で拾うか分からない。人生の節目はいつ訪れるか分からない。だから、今を大切にしたいと頭では思うが……

 そういう感情も1週間も経てば、お互いのエゴが見え隠れする。それでも帰省初日はなんとなくお互いが遠慮モードで譲り合ったりしていた。だが1週間はそれぞれの生活ルーティンに支障が出始める長さだと薄々感じている。

「あー、S(親友)が、一人暮らしに戻りたい気持ちが何となく分かるわ」

 同居当時の感覚で、ついつい下の子の行動に口を挟んでしまう。そこには待てない、いや親の意見を通そうとする私がいる。何の気なしにではあるが、下の子にはウザいと思われる老婆心が出る。迎合するつもりはないが、これはマズイとは思う。親子だが、もう別世帯の人間で、しかも大人だと認識しなくては。もっとおおらかに構えていなくては。

 久しぶりの帰省はイベントを詰め込む傾向にある。初日は全て手作りして家庭の味の晩御飯。少しだがカニも付けた。2日目はSが車で迎えに来てドライブで有名ハンバーグレストランへ。3日目は実家の両親に会いに。密になるのは避けられないので、食事はやめてお茶だけで常にマスクを着用し2時間で帰宅。翌日は本人が行きたいと言い出したのでコストコ。その翌日は1日家に居たが、その翌日は又Sと痛風鍋と言われるプリン体たっぷりの外食をした。そして今日は晩御飯を作ってくれると今、キッチンで腕をふるっている。明日は神社参拝と家族で囲炉裏の店で外食。明後日はSの自宅で愛犬と触れ合い、その翌日帰宅予定。毎日何かある。身体を休める暇などない。ストレスになっていなければいいけど。

 こんなに長く滞在してると、別れ際が辛いなと思っています。
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