第6話 ずっと揺れる
文字数 294文字
「先週も、来たの?」
何を聞こうとしているのか。
何か熱に浮かされたみたいだった。
「うん。」
彼女は笑みを含んでいる。
「一人で?危ないよ。」
「大丈夫だよ。管理人さんが管理してくれてるから。」
「管理人さんは、どこにいるの?」
何を知りたいのだろう。ただ、彼女を心配するだけでいいじゃないか。一人でこんな可憐な少女がこんな廃墟に来ていいことがあるわけない。
「あそこ。揺れてた。」
彼女はパイプ椅子の塔を指差した。天辺付近は、剥がれた壁紙が影になっている。窓の外には青々とした木葉が繁り、太陽光が陽炎のように煌めいている。
「何も揺れてなんかない。」
「今、見回り中だから。」
キィ、と金属を引き摺る音がした。
何を聞こうとしているのか。
何か熱に浮かされたみたいだった。
「うん。」
彼女は笑みを含んでいる。
「一人で?危ないよ。」
「大丈夫だよ。管理人さんが管理してくれてるから。」
「管理人さんは、どこにいるの?」
何を知りたいのだろう。ただ、彼女を心配するだけでいいじゃないか。一人でこんな可憐な少女がこんな廃墟に来ていいことがあるわけない。
「あそこ。揺れてた。」
彼女はパイプ椅子の塔を指差した。天辺付近は、剥がれた壁紙が影になっている。窓の外には青々とした木葉が繁り、太陽光が陽炎のように煌めいている。
「何も揺れてなんかない。」
「今、見回り中だから。」
キィ、と金属を引き摺る音がした。