第10話 覚醒

文字数 1,458文字

「さぁお前の力、『完全神化』を見せてみろよッ!」

キングワンの挑発に乗ったかのように、黒き神は駆ける。神速の拳が空間を割き、轟音が響き渡る。あまりに強大な力に次元が歪み、赤黒い閃光が辺り全てを無秩序に破壊する。

「悪くない! だが足りない! もっと貪欲に戦え!」

すんでの所で身を()わしたキングワンは怪物を睨み付け、その一挙手一投足を見逃さない。現状を見極め、次の最善手を模索し続ける。

重厚な皮膚に被われた異形が、荒い足取りで迫り来る。後頭部には髪のような無数の触手が蠢いていた。

スキル 母なる海 『ハイドラ』 発動

冒涜的な狂気の連撃……磯の匂いを漂わせながら、無尽蔵の白い触手がキングワンを襲う。

「ならこっちも(カード)を切らせてもらおうか」

無から有が生じる。男の手には一振りの大剣が握られていた。

竜胆色の神殺し(アロンダイト)

これぞ神技──目にも止まらぬ斬撃が、迫り来る触手を一本残らず切り落とす。それだけでは飽き足らず、異形の首筋を狙いキングワンは直進した。

ブレイドが怪物の太い首をなぞる。圧倒的な質量と切れ味を合わせ持つ剣撃──どれだけ硬い皮膚を持っていても防げるはずがない。

スキル 融解する狂気 『グラーキ』 発動

瞬間、異形の首が硬化し、刃を受け止める。彼の渾身の握力をもってしても刃は少しも進まない。首と剣が激しくぶつかり合い火花が散っている。

「硬ってぇなァ、おい!」

断頭が困難であると瞬時に理解した彼は一歩身を引き、体勢を立て直す。

全身が首と同様の強靭な甲殻に覆われている怪物に果たしてどのようにダメージを与えるのか? ただちに答えを導き出し、攻めに転じる。

──圧倒的手数で関節を切る。目指すのは最高速度、奴の懐に飛び込み一気にケリをつける!

キングワンが選んだのは短期決戦、猪突猛進。守りを捨て剣を振ることに全てを賭ける。アメジストのような輝きを放ちながら、超高速の刃が唸る。

紫色の光線が折り重なりあい、剣撃は怪物の全身をくまなく切り割いた。彼の狙い通り関節の筋肉は切断され、異形の手足は無様に四散した。

「これで終わりかノア? お前はいつか世界を救う存在だ。こんな所で死んでどうする?」

親が子供を教育するようにキングワンは怪物に語りかけた。


SAN値0
Count the chaos
現在、天神ノアの使える能力は……
創世の天神 ???
ルルイエの王 クトゥルフ
星喰炎 クトゥグア
永久の時間牢 ルリム=シャイコース
紫衣の王 ハスター
世界を喰らう者 ツァトゥグア
燃え盛る赤血 ディタラ
角を司る猟犬 ティンダロス
宇宙猫 ウルタール
狂気の山脈 ショゴス 
底に根づく星 シアエガ
罪を狩る者 ニョグタ
堕ちる影 イブ=ツァトル
屍羅刹 グール
大魔導書 ネクロノミコン
グラーキの罠 イゴール=ナク
彼方からの声 アルワッサ
追跡する光球 イオド
従順なる白 ナラトゥース
永劫より来たる者 イグ
美の偶像 イドーラ 
王の血を継ぐ者 ガタノトーア
博物館の恐怖 ラーン=テゴス
監視する無限の瞳 アイホート
深海に潜む厄災 クタアト
月の癌 ムーンビースト
融解する狂気 グラーキ
暗い暗い夜の悪戯 ナイトゴーント
山より出でし像神 チャウグナー=フォーン
深淵の呪詛 アトラク=ナクア
闇に囁く者 ミ=ゴ
荒れ狂う嵐 イタカ
大怪鳥 シャンタク
破壊神 マグ=メヌエク
偉大なる種族 イース
氷点の炎 アフーム=ザー
生命の躍動 イホウンデー
父なる海 ダゴン
母なる海 ハイドラ
機械仕掛けの邪神 チクタクマン
悪意の風 ロイガーとツァール 
度し難き畜生 サーイティ
醜悪なる性 ウーツル=ヘーア
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