文字数 399文字



僕の知らない世界があった
僕が避けて通っていたから
見ぬふりしていたその世界に
僕が知っておくべきことが
それはそれは限りなく
しかも深く根付いて眠っていた
きっかけは些細なことだった
僕が避けてた道を
若さと無知と好奇心が
いとも簡単に通り抜けては
そこで僕が知らなかった
普通であり当たり前であることを
僕の目の前でひけらかした
無知と濁った目を持ってたのは
僕の側の方だったと
初めて気付かされた
もっと昔から知ってた世界なのに
知り得た年も同じなのに
何かの制約に雁字搦めで
僕は踏み入れてはいけないと
勝手な暗示にかかっていた
知らない大人たちが作り上げた
幻想だとも知らずに動けなかった
僕の知らないこの世界には
僕の思う何十倍もの
エネルギーと人間らしさを
常にたたえる全てがある
居心地のいいこの場所で
あと少しだけとどまりながら
たくさんのことを目に焼き付けておこう
いつまでも僕がいて邪魔にならないように
いつでもここから消えて守れるように
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