文字数 392文字



何もない場所
でも居心地がいい
僕だけの場所を作る
時々邪魔されるけど
少しずつ少しずつ
眠ることも食べることも
できるようになってきた
雨や風を凌げるように
護れるものを作ることもした
遠くまで行かなくても
生きていけるように
土を耕して種を蒔いた
僕が僕らになっていく
蒔いた種は色んなモノを生み出す
僕が土に還っても
また別の僕が新しいモノを見つけた
狭くなったからと
屋根も壁もどんどんと広がる
楽しいとか悲しいとか
余計なものも身につけた
でも何故か嫌じゃなかった
僕らと僕らは離れたりくっついたり
そうやって時々違う方を見ながら
付かず離れず同じ時間を歩いた
サヨナラと去っていったり
傲慢に戻ってきたり
でもどこかで共に過ごしていた
空はどこまでも広がっていたから
今日僕は終わりを告げた
知らない場所の土に還された
でもまた別の僕がいる
新しい家族と共に歩き出している
次の種の糧になるよ
またどこか旅をして来た
僕が戻って来れるように

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