文字数 479文字



新しい日記
始まりの1ページ目は
いつまでも慣れない
ただの記録 踊る文字たち
振り返る毎に意味を探す
何があった日かわかれば
記憶なんて引き出せるけど
何もなかったら
多分何もしてない一日だから
覚えているのも無駄だし
書くこともないはず
だけど何もない日でも
この始まりの1ページ目は
どこか特別で
何もない中から探り出して
いつもたくさん書いてしまう
これから毎日を
ひたすら埋めていきながら
だんだん余白も増えていくのに
まっさらの紙
真新しい匂い
何もない事に耐えられない
本当は不安なんだ
何もないと言うその事実が
終わりを迎えた日
その何もなかった事に
僕は何を感じられるのだろうか
幸せばかりが欲しいわけでもない
悲しい事や不幸でさえも
多少のことなら
何もないよりずっといい
でも今日も何もなかった
いつもと同じ景色に
いつも同じ時間を重ねただけ
でも手元には新しい日記帳
そして今日はその1ページ目
空の色は何色だったっけ
誰とどんな話をしたっけ
何をどのくらい食べたっけ
あとは何を思い何をしたっけ
そこまで書いて何だかホッとした
ほんの少しでも僕は存在していた
明日からまたきっと
余白が増えていくけれど
僕の足跡僕の奇跡
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