和菓子男　上

《それじゃぁ、来週水曜日18時頃ね、仕事終わったら連絡するね》美羽がそうLINEで打つと、すぐ既読はつかなかった。 和菓子男は、いつでも 穏やかで時間がゆったり流れているのだ セカセカしていない その感じが 美羽は好きなのである

「んぅーん♪」みうは、LINEを送り終えると 少ししたら読んでくれる嬉しさと 来週会える嬉しさで 笑顔になった

和菓子男とは頻繁には会えない お互い仕事や家の事で忙しいから。
付き合いたてのカップルの様に毎日会いたいわけでもなく 会えない時間もお互いの事を忘れずに想っている 繋がっている 時々会う そんな2人の形が 美羽は心地よかった

他の人と遊んでるかもしれない 決めつけかもしれないが和菓子の男はそういうタイプではない もし例え他の女と遊んでいても 幸せならそれで良いとも思ってしまう 危なっかしい私の生き方に 堅実的な生き方の術を教えてくれたり、穏やかで 欲に溺れず おちゃめで 父親の様な男
こういう男こそ 絶対に幸せになってその幸せがずっと続いてほしいと思う

牧「何にやにやしてる？ さっきから」
美羽「べつにとくにないよ、なにも」
牧「ふーん」

牧は美羽の男友達 お互いに恋愛の相談もしたり、男女関係はなく、思いやりのある関係だ

牧「楽しいことないっかなー」
美羽「この前言ってた、美容院の待合の席で、場違いな感じで、家からそのままクリーミーマミのトレーナー着て美容院行ったら、それいいですねって可愛い子に声かけられたってあの子とそれから何か発展とかないの？」
牧「あーぁ、あの子ね、かわいかったなぁ。LINE交換して何回かやり取りしたんだけど、既読のまま 会話がとまっちゃったんだよなぁ」
美羽「またしてみればいいじゃん」
牧「返事ないのに、またするってちょっとだけ勇気いるぜぃ」
美羽「命減らないよ笑」
牧「それもそうだな笑」
美羽「かっこつけてたら、捕まえられるものも逃しちゃうよ 推しも推せる時に推せっていうじゃん)」
牧「わかった、またLINEしてみるわ」

こんな感じで、いつも2人はなんとーなく支え合い、お互いの未来のパートナー探しを ぼちぼちとしていた

和菓子男のLINEをみると、既読になっている

美羽「んぅーん、ふふーん♪」
既読になって またひとつ嬉しい

牧「おい、そのさっきから んぅーん、とかなんだよ、キモイな..俺の前はいいけど、気をつけた方がいいぞ 笑」