和菓子男 下

文字数 1,007文字

6:03 待ち合わせ場所 予想通り 先に彼は来ていた いつもそう
私もそんなに遅れてる訳ではない たった3分過ぎただけ 美羽「待ちました?ごめんなさい」とりあえず形式的に そう言った 博雅「大丈夫..?」 博雅の口癖である 「待ってないよ 全然 さっき来たところ」とか「久しぶり元気だった?」とかじゃなくて、決まって第一声は 「大丈夫..?」なのだ 優しいのだ。また言ってると心の中で思うと 美羽はニコッとして、大丈夫だよと答えた

美羽「ご飯行きましょ」博雅「そうだね 休日は神社巡り、御朱印を集めが楽しくて」 美羽「神様にパワーを頂けそう」博雅「そうそう、心がすーっと落ち着いて綺麗になる感じがするよ」 博雅、 そう「和菓子男」はどこまでも透明で純心なのだ 数字、利益ばかりで、結果が全ての少し汚れた世界では勝てないタイプ。それで良い。数字なんてどーでもいい。やりたい人やればいい。そんなしょっぱくて塩辛い世界に あえて行かなくても 充分幸せに生きていける。かえってその方が心と体の健康に良い 敢えて言っておくが、数字の世界を否定してるのではなくその世界で真面目に結果を出して頑張っている人もいる。 みんなが適材適所に、自分がハツラツとできて、人の役に立てればベストってこと。精神が病むのはまずい。私も和菓子男も、精神の世界で勝っている。何が大事か 第一優先は何か それを決めるのは自分。和菓子の男と会うと 美羽はいつもそんな気持ちになる

楽しい時間はあっという間に過ぎ 美羽「あ〜 美味しかったね♪」 博雅「うん 美羽さんもあのお店 気に入って貰えてよかった。 これお土産」 博雅が美羽に紙袋を渡す 美羽「いつもすみません汗」 博雅「美羽さん 和菓子が好きだから また餡子系だよ」 美羽「いつも貰ってばかりだから 今日はお返しのお菓子 用意したの」 博雅「いいのに 」 美羽「いえ、貰ってください」 博雅「ありがとうね」 博雅は静かに微笑み お返しを受け取る

博雅「美羽さん また連絡してね」美羽「うん また会おうね 今日はありがとう」
ハグをすると 博雅が 優しく手を振ってくれる

紙袋の中には 1箱10個入りの和菓子が3箱。毎日1個ずつ食べたら 約1ヶ月分。

私達はどこまでも 甘々で プラトニックな関係

それでいい

ストイック、愛欲なんて
言葉 私達には似合わない


そして
私は
毎日
愛おしい気持ちで
彼を
食す
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