(二)-10

文字数 236文字

 三人は暗い観客席に向かって大声で「ありがとうー!」とお辞儀をした。
 勢いよく振られるサイリウムスティックの光と文字通り圧倒的な声援で。会場は包まれた。
 大勢の人間の意識が一体化する空気の中で、三人は裾からステージを出て、楽屋に戻った。
「お疲れ様! これで三回目も無事乗り切ったわね」
 マネージャーの津田つぐみが三人を迎えた。
「これなら次に名古屋でやるときは、ここじゃなくてZeppeの方でできそうだよな」
 アンナがぐったり椅子に腰掛けてぐったりしつつそう言った。

(続く)
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