第15話

文字数 404文字

 ドガッ!!
 
 私の頭を狙ったメイスは空を切り、近くに置いてあった棺桶を破壊する。

 あっ、危なかった。
 振り向くのがもう少し遅ければ、私の頭があの棺桶みたいに破壊されていたはずだ。

「神父様。一体、どうして」
「ちくしょう。うまくかわしやがって」

 神父がメイスを棺桶から引き抜く。

「やめてください。神に仕えるあなたが、どうしてそんなことを」
「お前、俺を捨てていっただろ」
「は……。何をいっているんですか」
「オレが死んだと思って、お前ら二人で俺を捨てていったんだろ」

 思い出した。
 こいつは勇者のパーティーの一人だった奴だ。彼女が邪魔だから置いていくと言っていたあいつだ。
 まさか、生きていたなんて。

「あれは違うんだ。彼女が邪魔だから捨てていこうと言ったから……」
「人のことをゴミみたいに言うな」

 神父がメイスを振り上げる。

 その時、神父の手を何者かが掴んだ。
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