第12話

文字数 293文字

 彼女が私の股間を指差しながら言う。
 私は尻もちをついた時にバスタオルがはだけて裸になっている。

「誰よ、あなた?」

 まさか彼女は私に息子を紹介しろといっているわけでもあるまい。

「私だよ。君と一緒にこの宿屋に泊まっている男だよ」

 彼女がサイクロプスに抱きつく。

 何だ、あの二人は知り合いか?

「あなたなんか知らないわ。タケシなんか言ってあげてよ」
「おい、お前!! 人の女の部屋にどうして裸でいるんだ! 答えろ!!」

 何だ、この展開は。

「俺の彼女に手を出してただですむと思うなよ」
「そうよ。無料(ただ)ではすまさないわよ」

 美人局そのものじゃないか。
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