(二)-6

文字数 294文字

 廊下に出て、階段の所まで戻ると、二見は二階の方から「いたぞ」などと声が聞こえた。
 仲間たちはちょうど階段を上りきったところだった。
 二見も刀を肩に乗せて階段を上って行った。
 侍たちは右の廊下の先の部屋の方に集まっていた。部屋は狭いようで、侍たちは扉の周囲に集まって中を見ていた。
 二見もその部屋の扉の所に来た。他の侍の肩越しに部屋の中を見た。
 部屋は狭かった。部屋の中は執務室か何かで窓際にデスクが置いてあった。その前にはソファを低いテーブルが置かれている。そして右のソファでは背広を着た男性が一人、左側のソファの上でも官憲の制服を着た男性が一人、刀傷を受けてぐったりしていた。

(続く)
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