(二)-15

文字数 276文字

 兵舎の外は、武器を持たぬまま裸足の寝間着姿で走って逃げていく陸軍兵士たちと、それを後ろから前から横から斬って捨てる侍たちで阿鼻叫喚の地獄絵図となった。
 二見も負けじと近くの者たちを斬りまくった。先に走っていった大田黒殿は下っ端を相手にせず、大物を探しているようで、寝間着姿の兵士を無視して奥の方へ駆けていってしまった。
 夢中で左右を見渡して獲物を探すが、兵士たちは既に多くが逃散してしまったのだろう。見かける人影がどんどん少なくなっていった。見つけて追いかけようとするも、二見が追いかけようとすると、その近くにいる別の侍が斬って捨ててしまう。

(続く)
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