(二)-16

文字数 209文字

 そんなこんなで、獲物が近くからいなくなってしまったようだった。
 そんなおりにふと、空を見上げてみると、少しずつ夜が白み始めていた。
 二見はさらに周囲を見回した。動く人影は倒れている兵士に刀を突き刺してとどめを刺している侍くらいしかいない。近場にいないなら遠くを探さそうと、二見は大手門へまっすぐ続く二ノ丸の真ん中の大通りのような道に出た。
 大手門の方を見た。熊本城の天守閣が見えた。その手前には大手門がある。

(続く)
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