(二)-7

文字数 351文字

 いよいよ学園祭の日がやってきた。そしていよいよ翔太と会うことができると拓弥は喜び勇んで翔太が通う大学へと向かった。
 大学の正門前まで来ると、拓弥に向けて手を上げる男がいた。黒のシャツに黒のジーンズ、髪は金髪に染め、左耳にはピアスがついており、首には金色のネックレスがぶら下がっていた。
「よう拓弥。久しぶりだな」
 それは拓弥のモデル仲間の北詰(じょう)だった。いわゆるファッションモデルでイケメン、女性誌の表紙を飾ることが多い、超売れっ子だ。昨日の夜、この文化祭に行かないかと誘われていた。拓弥は丈と一緒に行くつもりはなかったが、業界では先輩になるので、むげにもできないと思い、この日に待ち合わせすることになったのだ。
 そうして二人は、正門に設けられた入場ゲートでチケットを見せて、大学構内へ入場した。

(続く)
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