試合前夜:決意あれこれ

文字数 7,506文字

「ブレスレットを外す方法だけはわからないってのは意外でしたねー」
「まったくだわー」
「……申し訳ございません」
 姉の聡美と母の早紀子が深々と息を吐く。その横には小さくなっている父の謙蔵。
 取扱説明書の翻訳自体はわりと早く終わっていたが、結局嵌めた二人の男女の心を一定時間入れ替える機能がわかり、「ただし男は赤のブレスレットを、女は青のブレスレットを、腕に嵌めてはいけない」というすでに推測済みの要注意事項が載っていたことを確認しただけで、それをしてしまった場合の対処法は不明だった。
 謙蔵が丁悦屋に話を持っていったが、店の主人もその場合のフォローまでは知らないとのこと。参考になるかもしれないラテン語の資料を山と持ち帰って解読に励んだが、今日それがすべて終わっても、ブレスレットの追加機能は判明したものの、悟とシャーロットを元に戻す方法は皆目わからなかった。
 悟が隣を見下ろせば、悟の身体のシャルもどこかしょんぼりしている。
 ひとまずみんなを慰めようと、悟は口を開いた。
「でも、時間の調節ができるようになったからよかったよ。これなら午前中やお昼頃からの試合でも僕が出られるようになるし」
 そう言うと、家族はみな生暖かい笑みを浮かべて悟を見つめた。
「あの、悟ちゃん? そりゃシャルの身体で野球をする分には好都合かもしれませんけどー、将来的にどうするつもりですかー?」
「いくら何でも日本とアメリカに離れて交換生活はできないわよねー。シャルにずっと日本にいてもらうかー、いずれ悟ちゃんにアメリカに行ってもらうかー……」
「さらにその先はどうしましょー。まさか今の状態で、それぞれ別の恋人を作れるわけもないですしー。国際結婚ってことになりますよねー」
「母さんは別に、それはそれで構わないわよー?」
「私も異論はないですけどー」
「ならその辺を、二人の人生設計には組み込んでもらうということになるわねー」
 まくしたてる姉と母の言葉に、悟は本来シャルのものである顔を真っ赤にした。
 抗議しようとした時、横にいたシャルに腕を掴まれ引っぱられる。小さな悟の身体では大した力でもないが、悟は素直に従い居間を出て、二階のベランダに上がった。
 よくよく見れば、悟の顔をしたシャーロットも頬を赤く染めている。
「あの、ごめんね。お母さんとお姉ちゃんが変なこと言って」
「……イイエ、しょうがないと言えばしょうがないデスヨ。完全に元に戻れる保証がないのデスカラ、そういうことを今のうちから考えておくのも当然デスシ」
 なぜかその話題には触れたくなさそうな、淀んだ口調。
 ――シャル、僕のこと嫌いなのかな。
 そんな想像をすると悟の胸は苦しくなる。寂しくて寂しくてたまらない。
「シャルは、僕とそうなるの、嫌?」
 率直に訊いてみると、シャーロットは悟を見上げ、慌てたように首を振る。
「悟のことが嫌いなんてことはアリマセンヨ? ただ、シャルはそういう、人間関係みたいな問題を考えるのを避けてきたところがアリマシテ……」
 語尾を濁したしばし後、小さな声で、シャルは臆病だからと付け加えた。
「前にもそんなこと言ってたよね? どういうこと?」
 悟の方を見ずに、手すりに腕を乗せて夜の住宅地を眺めていたシャーロットは、やがてこちらを向くと、おずおずと口を開いた。
「シャルは子供の頃からアニメや漫画が大好きデシタ。これは悟も知ってマスネ」
 質問ではなく確認の問いかけ。悟が肯くより早く、シャルは続けた。
「なのにシャルの家庭は、パパがスポーツマニア――と言うよりも体育会系――な人で、シャルも姉さんたちと一緒に、小さい頃からトレーニングを毎日やらされてマシタ。野球やバスケやアイスホッケー……近所のスポーツクラブには全部加入シマシタ」
 おかげでこんなに背が伸びて、と隣の悟の頭に背伸びして手を伸ばす。
「でもシャルは勝ち負けがつくものが好きじゃないんデス。好んで負けたいとは思わないけど、勝てなくても別に気にナリマセン。そしてそれは、勝ちにしか意味を認めないパパたちの考え方とは違ってマシタ」
 そこで言葉を切ってくれたのは、悟に考える時間を与えるためのようだ。
 悟は思い描く。勝ちにこだわらない子が、勝つことが何より大事と考える家族の中で過ごす生活を。当然負ければ責められる。きっと勝っても次の勝利を目指して追い立てられる。好きなものに接する時間も奪われて、トレーニングや競技をやらされて。
 それはとてもとても居心地の悪い生活だろうと思った。
 家族が自分と相容れない性質の持ち主だという状況は、さっき悟が想像してみたことよりも、さらに寂しいことのように思われた。
「ほっといてくれ、って、言えればよかったんデショウネ。でもシャルは勝負事が嫌いな臆病者だから、パパたちに面と向かってそんな風に言うこともできませんデシタ」
 他の日本語以上に、『臆病者』という単語はシャルの口からすらりと流れる。たぶん、アメリカにいた時にも英語で同じような言葉を投げつけられていたのではないだろうか。
「だから……日本に?」
「ええ。ハイスクールで留学生の募集を知って、グランマが亡くなった時シャルに直接遺したお金を使って、パパたちには何も言わないで、逃げ出すように日本に来ました。連絡を取っているのはママだけ」
 いつもの妙な語尾がなくなっている。シャーロット自身も気づいたようで、苦い笑みを浮かべた。
「場所が変われば自分も変われると思ってました。今までは嫌なことをやらされていたから、自分は歪んで臆病になっていただけなんだと。でも、日本に来たら来たで、わたしは『変な外人』を演じてます。本当の自分を出すのが怖くて、仮面の陰に隠れてます。こうして身体が入れ替わっても、今の今まで悟にまで隠してた、本当の臆病者」
 しゃべりながら、シャーロットの目から涙が一筋流れる。悟から顔を背けるように再び手すりに寄りかかり、力なく庭を見下ろす。
 寂しさを抱えたまま傷つけられて。そこから逃げても、逃げたことに罪悪感を覚えて。
 彼女は、いつまで傷つき続けるんだろう。
「いつも悟にお姉さんぶってましたけど、これがもっと本当に近いわたしなんです。家族とまともにしゃべることもできない、逃げてばかりの、臆病な弱虫――悟?」
 悟は、背後から両腕でシャーロットをすっぽりと抱きしめた。
「泣かないで、シャーロット」
 気の利いた台詞なんて言えやしない。だから思っていることを、ただ言った。
「その……僕はシャルの味方だから。本当のシャルがどんな人か、まだよく知らないかもしれないけど、それでも、僕は僕の知ってるシャルのことが大好きだよ。今のシャルも」
 自分で言った『好き』の言葉に鼓動が高鳴る。上ずった声で、さらに言う。
「だからシャルも、自分のことを悪く言うのはやめて。たとえシャルは平気でも、僕が、嫌だから」
「悟……」
 潤んだ声で呟くと、シャーロットは顔を覆った。力を抜くと、悟の胸に背中を預ける。
 女の子の悟と男の子のシャーロット。でも背の高さはこの状態の方がいい。
 腕の中に抱えているシャルが愛おしくて、もっと強く抱きしめようと思った時。
 背後から、誰かが尻餅を突く音がした。
「何やってんですかー、このお年寄りはー」
「そんな罵り方しないでー、ママは老化が気になる微妙なお年頃なんだからー」
 ベランダを覗き見できる位置で頭の悪いやり取りをしている新聞部部長とテレビ局プロデューサーに呆れつつ、悟は声をかけた。
「あの……いつから?」
「うーん、わりと最初の方からですねー」
「嘘……」
 頭を抱える悟を無視し、早紀子はシャーロットに声をかけた。
「シャルちゃん。今、逃げたい?」
 悟が目をやると、シャルは一瞬考え込む顔になってから、首を横に振った。
「なら、私たちはあなたのパパたちよりも、あなたの家族に近いってことかしらねー」
「わたしの、家族……?」
「日本には『遠くの親戚より近くの他人』って言葉があるのよー」
「そりゃ少し意味が違うですー」
 聡美が母親に突っ込んでから、こちらもシャーロットに向き直る。
「仮面なんか何だってんですかー。うちの家族だってどいつもこいつも仮面かぶって暮らしてますよー? 父親は道楽翻訳家に似合いな『無神経なオタク』の仮面。母親は余計な敵を作らないために『おとぼけおばちゃん』の仮面。悟はスポーツ苦手な貧弱な体格をごまかすために『インドア少年』の仮面。私は少々高い攻撃性を隠すために、『人畜無害』の仮面」
「お姉ちゃん、それはかぶり損ねてる」
 悟の突っ込みを黙殺して聡美は続けた。
「シャルもつまんないことにこだわってると頭痛くなりますよー。駄目な『本当の自分』なんて一生隠してればいいんですー。隠し通せばそれは事実でなくなりますからー」
「……ありがと、聡美」
「じゃ、下に降りてご飯にしましょうねー」
 早紀子に促され、シャーロットは階下に降りて行く。と、聡美は悟を引き止めた。
「どうしたの?」
「かっこいいこと言った以上、明日は勝たなきゃ駄目ですよー?」
「それくらい、わかってるよ」
「明日の試合は新聞部がきっちり中継してインターネット放送しますからねー。新聞部のスタンスとしては女子寄りですけど、結局勝負事は勝てば官軍負ければ賊軍。負けたら女子野球部は相当肩身狭くなりますよー?」
「……がんばるよ。シャルにもう嫌な思いはさせないって決めたんだ」
「はいはい、ごちそうさまですー」

「ごちそうさま。これは、小笠原さんが?」
 カレーライスの皿を空にして、啓子は優に訊いた。
「いえ、あの、猛お兄ちゃんが作ったものをおすそ分けしてもらって……」
 しどろもどろになりながら優が答える。お隣さんが絡むと、この子はいつもこうだ。
「へえ。甘口のわりにはおいしかったよ。ありがとう」
 啓子はそう言うと皿を脇に除けて、食事の最中も広げていた紙や鉛筆を片づけた。
「これで、決まりですよね」
 自分が書き込みをした紙を眺めて優が言う。
 ポジションはかなり簡単に決まったが、打順がなかなか悩ましく、試合前日の今日まで固まっていなかった。そこで啓子と優が、優の部屋で最後の作業をしたのである。
「どう機能するかは実際にやってみないとわからないけどね」
「そこは指揮次第でもありますよね」
 言って、優が期待の眼差しで啓子を見る。そういう役割を望まれていることは美紀に誘われていた時から承知していたけれど、やはりちょっとしたプレッシャーだ。
「……『監督』、本当に何もしないつもりなのかな」
 啓子が思わず愚痴をこぼすと、優があきらめるような口調で応じる。
「でも、就任した時ご自分でおっしゃってましたものね。孫の義理でベンチに座るだけだから何もしないって……」
「本当に何もしない、って言うか、たまに来れば必ず寝てるし」
「あんなに徹底してると却って潔く見えてくるのが不思議ですね」
「まあ、美紀さんをあそこまで鍛え上げていてくれたことには大感謝だけれど」
「同感です」
 そんな話をしていると、チャイムが鳴る。お迎えが来たようだ。
「時間ぴったり。さすが矢野さんだ」
 啓子が荷物を持って立ち上がると、優も玄関までついて来る。
「あの……啓子さんのお身体の具合、今はどうなってますか?」
「意外と快調。これまで怖がって身体動かさなかったのが、逆にいけなかったのかもね」
「そうですか……」
 靴を履きながら答えた啓子に優は顔を綻ばせ、しかし念を押すように付け足した。
「でも、無理はしちゃ駄目ですよ」
「そりゃ不可能でしょう。無理しないで勝てるほどぬるい相手じゃない」
「そうかもしれませんけど……」
「ま、死なないようには注意するよ。この先もあなたたちと野球をしたいしね」
「私も、啓子さんともっと野球したいです」
 優が律儀に言葉を返した。
 頭の回転では美紀に、個別の技術に関する知識と経験では梓や一美に劣るものの、野球についての総合的な頭の良さでは優が秀でている。そして啓子は(かつての経歴があるのだから当然だが)さらに上を行っていた。
 身近に接していればすぐわかるもので、二ヶ月経った今では優が啓子に師事しているような雰囲気さえある。
 啓子としても、本来は二十歳以上年下のこの女の子を、自分の蓄積を伝える弟子のように見なしつつあった。
 だからこそ、明日は負けたくないと改めて思う。できるだけ長く、実戦の中で優に色々なことを教えてあげたいから。
 また明日、と挨拶して啓子はドアを出た。
 ドアの外には、保健医にして女子野球部顧問となっている矢野が待っていた。
「今夜の検査は中止になりました。群馬で手術可能な事故が起きたもので、所長はそちらに向かっています」
 階段を降りながら、彼女は啓子に告げる。
 研究の始まりは戦時中。訓練を施して実戦経験を積ませた古参兵がバタバタ死んでいく状況下、そうした兵隊の損傷していない脳などをリサイクルできないものかと考えた軍人とその手の人体実験をしたくてたまらなかった歪んだ医学者が手を結び、研究所が極秘裏に発足したという。
 極秘裏ゆえに戦後も生き延び続けた。危うく戦犯として絞首刑になりかけた後にとても偉くなった人物ともつながりがあったため、戦後も役所や警察から便宜を図ってもらう伝手は失われず、資金面での援助も今日まで途絶えていない。この研究はある種の医学者を惹きつけるらしく、人材補給にも問題はない(矢野は、そんな研究をするところとは知らずに入ったとのことだが。嘘のつけない真面目な性格だからたぶん事実だろう)。
 当初の「頭を吹き飛ばされた兵隊と首から下を失った兵隊をその場でくっつけてすぐに戦線復帰させる」という目標に到達したわけでもないが、それなりに研究成果は挙げていて、一般に公表されている医学研究よりは少し先を進み続けている。
 脳のタイプがある程度適合すれば、無事な脳を無事な身体に完全移植して、最低一年間生き延びさせるくらいには。
「そうなんだ……。で、何か注意事項みたいなものは?」
「特に何もおっしゃってませんでした。私たちにしても四年目は未知の領域ですし、手術後にスポーツを始めた人もこれまでいませんでしたし、様子見状態です」
「先週の検査結果は?」
「……問題ありませんでした」
「了解。それが聞きたかった」
 どこかが悪くなっているという感覚はなかったが、確認できればなお安心できる。たとえ悪くなっていても、明日の試合に出るつもりではあったけど。
 啓子が助手席に乗り込むが、なかなか発進しない。矢野の方を見れば、運転席に座ったもののエンジンもかけずに啓子をじっと見つめている。その瞳が潤んでいる。
「……早く帰ろう。明日に備えてしっかり寝ておかないといけないしね」
 間が持たなくなってそんなことを言うと、矢野がようやく口を開いた。
「……田村さんが」
 声を詰まらせ、でもすぐに続ける。
「田村さんが『明日』の話をしてくれるなんて、初めてですよね……検査結果を自分から聞いてきたのも」
 気恥ずかしくなってそっぽを向いたが、矢野はなおも言い募った。
「私、もっとがんばります。所長たちにももっとがんばってもらいます。田村さんができるだけ元気に暮らしていけるように……」
 車が出るまでしばらく時間がかかるかなと思いつつ、啓子は矢野をせかそうとは考えなかった。
 矢野は――そして所長の大森らも――かなり歪んではいるけれど、患者のために必死に努力する医者ではあるのだ。

 梓が庭に出て軽く身体を動かしながら空を眺めていると、隣の庭先に美紀が現れた。
「まだ寝てなかったのかい」
「それを言うなら美紀姉ちゃんも」
 垣根越しに会話を交わしながら、二人で澄んだ夜空を見上げる。幸いにも梅雨の晴れ間で、明日の予報でも雨は降らない。適度なコンディションになりそうだ。
「耕作さんは?」
「とっくに寝床の中。年寄りは夜も朝も早いからね」
「そうだよね」
 とりあえず振ってみた話題だが、後が続かない。耕作を美紀に憑依させることの是非は当事者二人で散々話し合ったことだろうし、前世の記憶を思いきり活用している自分が口を挟むのもどこか気が引けるし、耕作が動かす『美紀』がチームの軸と呼べそうなくらい優れた選手になっていることもあるから。
 そんな風に、変に気を回したり軽い罪悪感を覚えたりで黙っていると、美紀が言った。
「ありがとさん」
「何が?」
「いや、問い返されてもちょいと困るんだけど……梓が身近にいてくれたこと、それ自体に、かな」
 美紀は照れ臭そうに視線を外す。
「あたしの家のちょうど隣にあんたが生まれてくれて、あたしだけに生まれ変わりのこと打ち明けてくれて、いつも目をきらきらさせて夢みたいな夢語ってくれて、あたしの通う高校に入学してくれて、あたしの女子野球部案に乗っかってくれて、ジジイとあたしのことも咎め立てしないでくれて。……全部、あたしにとって都合がよかったからありがたいって意味に過ぎないけどさ」
 どうしてこの幼なじみはいつも偽悪的な物言いをするのだろうと思いつつ、梓は言う。
「僕もやりたいことやってるだけだよ。高校に入るまで全然野球のチームに入らなかったのは、甲子園に行く前に下手な練習させられたり連投させられたりで肩が壊れたら嫌だなって思ったからだし」
 美紀に向き直って、苦笑する。
「自分に都合がいいかどうかで判断してるのは、美紀姉ちゃんとおんなじ。……だから、同じ意味で、美紀姉ちゃん、ありがとう」
 この得難い幼なじみと一緒に、大好きな野球ができる。自分は幸せ者だと思う。
 美紀が耕作を自分の身体に憑依させる口実として女子野球部を立ち上げ、自分自身を選手に仕立て上げたことも、それによって何かをしようとしてることも、わかっている。
 でもそれはきっと、彼女にとっていいことなのだろう。善悪の判断はしっかりしてる幼なじみなのだ。そしてもし生来の詰めの甘さが出て彼女が失敗しそうになったら、その時は自分が手伝ってあげればいい。
「がんばろうね」
 梓が笑いかけると、やっとこちらに視線を戻した美紀も笑ってくれた。
「……ああ。まずは明日の一勝だ」
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登場人物紹介

宇野梓

高校一年生。ピッチャー。各種変化球を使いこなし、オーバースローでもサイドスローでもアンダースローでも投げられ、コントロールは抜群。

実は、病気で急逝したプロ野球の名投手が生まれ変わった子。

小笠原優

高校一年生。キャッチャー。キャッチングの技術と配球の組み立ては極めてハイレベル。

実は、昨年夏甲子園で準優勝したチームのキャプテンが年下の幼なじみと入れ替わった状態。

青田啓子

高校三年生。ファースト。身体は弱いが、チームの指揮に関してはプロ級。

実は、プロ野球二軍監督が事故死して少女の身体に脳移植された状態。

森弥生

高校一年生。セカンド。お嬢様ながらガッツはチームナンバーワン。シュアなバッティングも持ち味。

実は、小学生時代に野球少年と入れ替わった少女が数年ぶりに元に戻った状態。

鮎川一美

高校三年生。サード。バッティングの天才。

実は、昨年夏の甲子園で優勝したチームの四番打者が、家系に代々伝わる呪いで性転換した状態。

田口雪絵

高校一年生。ショート。野球センスに秀でたオールラウンドプレーヤー。

実は、関西の名門校へ野球留学するはずだった少年がリトルリーグ時代にライバルだった少女と身体を交換された状態。

村上美紀

高校二年生。レフト。梓の幼なじみ。試合になると人が変わったように巧くなる。

実は、試合の際にはプロ野球選手だった祖父(存命中)を憑依させている。梓およびその他数人の事情も知っている。

シャーロット・L・ミラー

高校二年生。センター。アメリカからの留学生で、恵まれた身体能力を有し、肩の強さは男子に引けを取らない。

実は、滞在先の小学六年生男子と一日のうち十二時間を入れ替わっている。本人はスポーツに苦手意識を持っているが、諸事情あって少年が彼女の身体で野球をすることになった。

藤田真理乃

高校一年生。ライト。初心者で性格はおとなしいが、走攻守いずれも高水準。

実は、学園経営者一族の少年。一族と契約している魔神に採用され、いざという時に魔法少女になるだけでなく、常日頃から少女として暮らすことになってしまっている。

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