起床

文字数 238文字

 大地はうねってせりあがってきていた。僕の目は自然と開かれて、カーテンの向こうがわに当たる光をみる。それはわずかな光だった。ずっと高いところに暗い雲がたまっていた。
 僕の家に、テレビ、ラジオ、携帯とかはない。あるもののどれもが帯電していない。現実は住宅街のすみっこにあるけれど、理想というか、ありのままでいったら、大きな湖にぽつんと浮かぶ島にあって、しずかに建っている。それでも僕は、絶対に現実にいるけれど。
 耳を澄ませば、隣家から緊急地震速報のあの音が聞こえてくる。
 

 
 
 
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