四月の日
文字数 337文字
「咲かないの?」
「咲くって、ほら、家の敷地内になかったっけ?」
「そうそう、ガスボンベの近くに咲いてた。」
「咲かないっていうと、なにかあった?」
「それは災難だね。」
「まだ雪が解けてないみたい。」
「解けようとしていないだけ、って、詩的なこと言っちゃって。」
「まあいっか。お邪魔します。」
「ああ、誘ってくれてありがとう。」
「あれ、鍵かけときな?危ないよ。」
「そっか。」
「しかし、いつもたたきが広いね。一足もないじゃない。」
「部屋も。」
「うん、リビングにも、キッチンにも、トイレにも。」
「はは、そういえばそうだね。」
「声が遠くなってる。息遣いも聞こえないし。」
「分かったよ。」
「いつも説教してばっかり。」
「また来るから。」
「今度は、柏餅でも。あたたかいお茶も、持ってきてあげるよ。」
「咲くって、ほら、家の敷地内になかったっけ?」
「そうそう、ガスボンベの近くに咲いてた。」
「咲かないっていうと、なにかあった?」
「それは災難だね。」
「まだ雪が解けてないみたい。」
「解けようとしていないだけ、って、詩的なこと言っちゃって。」
「まあいっか。お邪魔します。」
「ああ、誘ってくれてありがとう。」
「あれ、鍵かけときな?危ないよ。」
「そっか。」
「しかし、いつもたたきが広いね。一足もないじゃない。」
「部屋も。」
「うん、リビングにも、キッチンにも、トイレにも。」
「はは、そういえばそうだね。」
「声が遠くなってる。息遣いも聞こえないし。」
「分かったよ。」
「いつも説教してばっかり。」
「また来るから。」
「今度は、柏餅でも。あたたかいお茶も、持ってきてあげるよ。」