翌日

文字数 318文字

 晴れた空を仰いでいる。

 焦点の合うところ、すなわちずっと遠くの、ひとつとして定まらないところを見ている。そうしているうちに、私の胸はそっと放たれて、大地の果てまで意のままにするようになる。すべては同じようになって、私の意志はなく、誰かの意志もない。自意識というものがあるならば、それはほんの小さな光のようなもので、空の、またずっと向こうの空で、ろうそくのように燃えている。
 かじかんだ手指も、考えることを諦めた頭も、それらは私のあるところだけれど、結局何ものでもなく、何かのエネルギーである。光は扇を描いている。ゆったり落ちていく。私は、立ち上がるのはよすことにした。ひとつの光はやがて無数の光となって、気づかれないまま消えていった。
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