聞き込み
文字数 1,832文字
本人に心当たりがないのなら、その周囲から情報を集めるしかない。
真二は独り暮らしをしているという。すでに両親は亡くなっていて家族はいないということだったので、三人は戯れのパートナーの家へと向かうことにした。
そう話すのは同級生の芹沢杏奈だった。自宅のリビングでメンバー三人と向かい合っている。
ちょっとお話をさせてください、とアリシアが言うと、詳しいことは何も聞かずに中へと案内をしてくれた。
それはまあ、なんとなくですよ。
中学生くらいになると、そういうのが流行りだすっていうか、パートナーを作ったほうがいいっていう雰囲気になるんです。
それでわたしは席が隣だった真二くんと組むことになったんですけど。
パートナーの関係性にもいろいろある。
毎日のように戯れをすることもあれば、気が向いたときにだけ、という場合もあるのだ。
呪われ人は基本的に他人に興味がないので、このような反応も普通のことだった。
成長するにつれて、幼い頃の記憶はなくなっていくのが基本だ。呪われ人の場合、心が死んだ後にそれは顕著に現れる。
全くの別人になったような感じがして、十代であっても、過去がかなり遠く感じられることもある。もちろん、これには個人差も結構存在しているが。